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現職高島宗一郎氏の3選目が決定 福岡市長選挙


最多28万5000票超え

任期満了に伴う福岡市長選挙が11月18日に投開票され、現職の高島宗一郎氏(44歳)が史上最多投票となる28万5435票を集め、3選を果たした。一方で、投票率は31・42%と過去最低を記録している。
新人の神谷貴行(48歳)共産党市議団事務局長との一騎打ちとなった今回の市長選。現職の高島氏は圧倒的な地名度と2期8年の実績を武器に選挙に挑んだ。そして、投開票時刻とほぼ同時の午後8時にNHKで「当確」の一報が流れ、福岡市中央区天神の高島氏選挙事務所は戦勝ムードに沸いた。敗れた神谷氏は、共産党単独の公認・推薦の候補者として過去最多9万4437票を獲得するなど善戦した結果となった。
高島氏は「3期目を任せてくれる市民の動機は、今、福岡市民が一体感を持ってさまざまなことにチャレンジをしている。この勢いを止めてはいけないという気持ちで私に託していただいたと思う」とお礼を述べ、「少子高齢化、地方都市の人口減少が進む中でもしっかりと財源を稼ぎ、その成長の果実で、生活の質向上や子供たち、高齢者や障がいを持つ人たちの福祉の充実に振り向けて行きたい」と抱負を述べた。
その後、2週間にわたる自身の選挙活動を振り返り「玄海島など、普段の公務で通うことがなかなか出来ない場所を中心に周り、演説も150回以上行った。そうした中でやはり子育て中の女性、子ども、高齢者、障がいのある人から支援を求める声が大きいと感じた」と印象を述べ、「3期目4年間でたくさんの皆さんからいただいたお声を一つでも多く実現できるように、全力を尽くしたい」と誓った。そして最後には「今動き出した好循環を確固たるものにすべく、福岡の成長を止めてはいけない。議員、経済界、各種団体様とともに、オール福岡で成長と生活の質の向上の好循環を作りたい。お力添えをお願いします」と市民、支援者らに今後の高島市政への協力を求めていた。
今回注目を集めた高島氏が掲げるJR博多駅とウォーターフロント地区をロープウェイで結ぶ「福岡スカイウェー構想」については、「まだ何も決まっていない。有識者会議を開き、地下鉄などの既存交通インフラとの比較検討もしながら決めていく。議会でしっかり議論し丁寧に進める」ととどめるも「多くの市民の方にこの議論について知ってもらった点はよかった」と前向きな感想も語っていた。
また、福岡県と対立が続く「宿泊税」に関する質問には「徴税を市がするのか、県がするのか、宿泊税に関わらずこれまで問題点が多数あった。知事とは信頼感を持って実務者協議で議論をしましょうと話しているところ」などと説明。両議題について「丁寧に進める」と強調した。
過去最低となった投票率については「全国的に低い傾向だが、今回の自分の選挙で流れを変えたかった気持ちはあった」と心境を漏らしていた。
この日は麻生太郎副総理兼財務大臣も駆けつけ「人口が少ない地域に優先して出向くなどきめ細かい選挙活動で、取り組む姿勢がよかった」と太鼓判を押し「これからの4年間、天神を中心に街の様子が物凄い勢いで変わる。さらに輝き、そしてアジアのリーダー都市になるべく頑張って欲しい」とねぎらった。また、安倍晋三首相からも電話で祝福を受け、「自分の選挙ができました」と、党推薦の御礼も兼ね終止にこやかに当選の報告をした。

2018年11月27日発行