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熊大と共同研究でアニサキス殺虫方法を開発 ジャパンシーフーズ


週刊経済2021年7月6日発行

瞬間的な大電流で殺虫

アジやサバ、イワシの生食用加工メーカーの㈱ジャパンシーフーズ(福岡市南区井尻5丁目、井上陽一社長)は6月22日、瞬間的に大電流を流してアニサキスを殺虫する方法を熊本大学産業ナノマテリアル研究所らと共同で開発したと発表した。
アニサキスは寄生虫の一種で、刺身などにいる生きたアニサキスを食べると人の胃などに刺入し食中毒を引き起こすことがある。殺虫方法として加熱・冷凍があるが、刺身の場合は冷凍によるドリップ流出や退色などの品質劣化と、販売の際に「解凍」表示が必要なことから商品価値の低下などの課題があった。今回開発したのは瞬間的に大電流を流すパルスパワー技術で魚身の内部にいるアニサキスを殺虫する方法。解凍品に比べて品質劣化が少なく、冷凍に代わる技術として実用化を目指す。この技術を導入した殺虫装置のプロトタイプ機を同社箱崎工場に設置しており、今秋からこの装置で殺虫処理した生食用刺身のサンプル出荷を予定している。井上社長は「処理能力を向上させた次世代機の開発も進行中。アニサキス食中毒の被害を減らし、安心安全な食文化と水産業界の発展に寄与したい」と話している。