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消費税引き上げ、事業承継が喫緊の課題に 藤永憲一・福岡商工会議所会頭


伴走型支援を積極展開

就任から半年を迎えた福岡商工会議所の藤永憲一会長は、本誌新年号インタビューに応じ、2019年の課題として消費税10%への引き上げや事業承継が喫緊の課題になるとした上で、「中期方針に掲げた伴走型支援を積極的に展開していきたい」と述べた。
―人手不足やIT化への対応など中小企業は多くの経営課題に直面している。
藤永 喫緊の課題となるのが、19年10月から実施予定の消費税10%への対応だ。第4次安倍政権がスタートし、安倍首相が引き上げを明言したことで、準備に向けた動きが加速している。セミナーはかなりのペースで実施しているが、首相の明言以前に比べて、倍以上の申し込みが殺到している。レジやソフトの切り替え、あるいはキャッシュレスでもプリペイド式、クレジットカードでは仕様が異なる。早めに対応していただきたい。19年上期は「人材」とともに、大きなテーマになってくる。
―「人材」に関する支援について。
藤永 さまざまな課題がある。中でも深刻な課題は後継者問題、いわゆる事業承継に関する問題です。政府は今年度の税制改正において、事業承継税制の抜本的な拡充を実現させた。商工会議所では来年度の税制改正において、税制上の優遇措置を中小企業から個人事業主へと拡大するための制度創設を求めている。これにより、大きな税負担が重荷と感じていた後継者側の負担軽減につながるのではないかと期待している。福岡県では170を超える関係機関で作る「福岡県事業承継支援ネットワーク」が設立され、円滑な事業支援を促す環境が整った。われわれ商工会議所でも、巡回や窓口相談で事業承継の取り組みを把握し、ニーズの掘り起こしに努めている。掘り起こしによって、顕在化した課題については、経営指導、支援ネットワークに参画している専門家に引き継ぐといった出口の部分でしっかりと対応していきたい。消費税引き上げ、事業承継をはじめ、直面する経営課題には、中期方針に掲げている「伴走型支援」を積極的に展開していきたい。
―1月7日の新年祝賀会は会頭として初めて臨むことになる。どのようなメッセージを発信していきたいか。
藤永 詳細については検討中。10年くらい前から歴代会頭は新年にその年への願いを表す言葉を漢字で表現しているが、新年の抱負を表現するのは簡単そうで難しい。いずれにしても、福岡の地域経済、会員企業の皆さまにとって、素晴らしい1年となるようなメッセージを発信していきたい。

2018年12月26日発行