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洋上ウインドファーム用作業船が北九州港に入港 PKYマリン


週刊経済2023年11月14日発行号

11月から工事開始

五洋建設㈱、鹿島建設㈱、寄神建設㈱による共同出資会社PKYマリン㈱(東京都文京区、大下哲則社長)は10月30日、北九州響灘洋上ウインドファーム建設工事で稼働するSEP型多目的起重機船「CP‐16001」を報道陣に公開した。
船は2020年10月に建造を開始し、今年9月に引き渡された。北九州港(響灘)には10月28日に入港した。SEP(Self‐Elevating‐Platform)船は、4本の脚(レグ)を海底面に着底させ、作業船本体を海面よりも高く上昇させた状態で作業するため、波浪の影響を受けにくいことが特徴。長さは約120m、幅は45m、デッキ面積は3855㎡。1600t吊全旋回式クレーンを搭載しており、10~15MWクラスの風車の設置、基礎の施工ができるという。船内には定員100人の居住空間のほか、医務室や会議室、フィットネスルームなどを備える。海底から約200mまでの高さの作業が可能なことや、ダイナミックポジショニングシステム(DPS)によって船体の位置保持が可能なことを生かし、北九州響灘洋上ウインドファームの工事では支持杭の打設と風車の組み立て・設置を手掛ける。11月から来年10月にかけて基礎工事を進め、その後杭とジャケットを一体化。最後に組み立てた風車25基を設置する。洋上ウインドファームの稼働開始は25年度の予定。
PKYマリン運営委員・五洋建設㈱執行役員の小﨑正弘さんは「日本の洋上風力はまだ始まったばかり。まずは今回の事業でノウハウを蓄積し、今後もこの船が建設で活躍することを期待したい」と話した。