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歴史資産を活用した観光振興など提言 歴史・文化を活かしたまちづくり懇談会


週刊経済2023年10月31日発行号

 産学の有識者15人で構成する、歴史・文化を活かしたまちづくり懇談会(座長・川原正孝福岡商工会議所副会頭)は10月17日、福岡・博多の歴史・文化的資産の活用に関する15の提言を発表した。
懇談会は、福岡商工会議所が今年度の重点項目の一つとして挙げている「歴史・文化を活かしたまちづくり」を進めていくために発足。今年6月以降、課題や必要な取り組みを研究・議論してきた。9月に取りまとめた提言では、「市民全体のまちづくりの原点となる『郷土愛の醸成』を」、「市民が誇りを持てるシンボル(ランドマーク)づくりに向けて」、「歴史・文化資産を活かす多様な専門人材の育成に向けて」、「官民一体となった歴史・文化を活かしたまちづくりに向けて」の4つの柱のもと、歴史・文化資産の周知・活用に関する15項目を挙げている。具体的には、福岡城址内の「鴻臚館」跡の整備・活用や、福岡城天守復元の検討、石積遺構が見つかった冷泉小学校跡地を「中世・博多」の発信拠点として活用すること、観光ボランティアガイド1千人を目標とする育成計画の策定などを盛り込んでいる。提言のうち、自動車のご当地ナンバー「博多」の導入については8月に福岡市に要望書を提出済みで、その他の取り組みについても、今後各所への働きかけを進めていく。
座長を務めた川原正孝副会頭は「歴史・文化資産は、地域内に向けては郷土愛の醸成に、地域外に向けては地域を訪れる魅力的なコンテンツとなり得る」と見込み「提言の内容には、行政に取り組みを求めているものや、市民・民間も巻き込んで考えていくものなどがある。連携を進めながら、具体的な取り組みにつなげていきたい」と話した。