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歴代最大級、全長183mの新造船が就航   名門大洋フェリー 姉妹船も建造中、総額130億円


 大阪南港と北九州・新門司港とを結ぶフェリーを運航する株式会社名門大洋フェリー(大阪市西区、阿部哲夫社長)は9月16日、同社歴代最大級の新造船「フェリーおおさか2」を就航した。
 これまで運行してきた旧船2隻の老朽化(建造から24年)に伴う代替建造によるもので、今回完成・就航したフェリーと合わせて、11月29日に就航予定の「フェリーきたきゅうしゅう2」を新造している。投資額は、フェリー1隻約60億円に加え、新造船に合わせたステーション整備に約10億円を投じ、総額約130億円に上る。就航したフェリーおおさか2は、総トン数1万4920t(旧船9479t)、全長183m(同160m)、全幅27m(同25m)で同社歴代最大となる規模で、航海速力は23・2ノット(同22・9ノット)。旧船に比べ、物流向けトラックの積載能力は32%増の146台となった一方、旅客定員は従来と同数の713人で、大型化で広々とした空間を提供することを意識したという。
 船内設備の特徴は、石油価格の高騰を受けて燃料消費量の削減に重点を置き、ハイブリッド型推進方式を採用。大型化したものの満室、フル積載時の燃料消費量は旧船とほぼ同じで、トラック1台当たりの燃料消費は30%以上削減したことになる。そのほか、旅客面ではエントランスホールと同フロアに乗車専用スペースを設けたほか、パブリックスペースの充実、パウダールーム・キッズルーム・授乳室を初導入し、ニーズに合わせた客室構成の幅も広げた。また、物流面ではトラック運転手の個室を設置したほか。これまでの一口荷役から二口荷役が可能となる稼動橋を設置し、乗下船荷役時間の短縮を図る。
 11月の姉妹船が就航した後は、乗客数は現在の年40万人から50万人、トラック積載台数は現在の年14万5000台から16万台を目指していく。15日に開催したプレス向け内覧会で、阿部社長は「装置産業に関わる当社にとって、新造船の建設は近年の最重要課題だった。新造船の強みを生かし、経営環境の変化にも柔軟に対応しながら、モーダルシフトの受け皿としての役割を果たしていきたい」と話している。