NEWS

  • 地域

欧州市場開拓を本格化、デリバリー基地開設も計画   福岡クロス工業   5年内の世界トップシェアに向け


 電力ケーブル・光ファイバーケーブル向けの被覆テープ製造、福岡クロス工業株式会社(福岡市博多区比恵町、天岡健社長)は2003年、欧州市場の開拓を本格化する。
 佐賀県千代田町の九州工場内に建設していた電力ケーブル向けの「コーティング工場」と「カスタマー用専用工場」が今年2月に完成するのを機に5年内の世界トップシェア獲得を狙う一環。
 国内需要は突出している光ファイバー向け以外は冷え込んでいるが、台湾の電力向けを中心に輸出が好調で、02年はエジプトの有力電線メーカー3社のうち2社から受注した。03年は特にヨーロッパ市場の開拓に注力し、商社と組んでデリバリー基地の開設も計画している。また光ファイバー向けは引き続き米国市場の早期開拓に全力を注ぐ。
 天岡社長は「海外でも競争激化から単価下落が顕著となり、以前のような利益率の確保は難しくなってきた。品質面で他社を圧倒するとともに『欲しい』と思われる付加価値のある商品開発に努め、世界制覇に向け価格決定権を握りたい」と話している。
 同社は1963年設立、資本金9,400万円、従業員数120人。電力ケーブル向けのほか、光ファイバーケーブル向けの被覆テープの国内シェアは98%と圧倒的。02年3月期は売上高が前期比18.7%増 の約36億2,700万円、経常利益が同2.14倍の6億6,100万円の3期連続増収増益だった。