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次期新中計で業務の生産性向上を追求 髙田寿一郎㈱高田工業所社長


週刊経済2021年12月21日発行

受注好調で来期見通し良好

プラント建設の㈱高田工業所(北九州市八幡西区築地町)は今期減収減益を予想するが、受注が好調で来期の見通しは良好という。また来期からスタートする新中期経営計画を策定中で、生産性向上を検討すべきテーマとして考えているという高田社長に聞いた。
―第2四半期決算は当初予想を上回った。
髙田 要因は化学プラントの定修(定期修理)工事の売り上げが予定より多く計上されたから。期首予想は上回ったが前年同期比では減収減益。もともと今期は化学プラントの定修が少ない年で通期も減収減益を予想している。今期完工に上がる案件は前期までに受注が決定した案件で、その状況から見ても今期は厳しい見込みだった。
―来期については。
髙田 来期は一転して忙しくなりそうだ。今期は受注が好調で、また最近、工事の規模が大型化して受注額が伸びている面もあり、今期末の受注残もある程度は積み上がりそう。来期は化学プラントの定修が多い年であるし、原発再稼働に向けての工事もさらに忙しくなりそうなので、これから体制を整えていく。
―今後の長期的な課題は。
髙田 プラスマイナスの両面が考えられるが、カーボンニュートラルの課題がある。化学プラントや製鉄プラントは、設備の建設から年月が経ち、CO2排出という観点からすると、建て替える必要があるものも多くなっていると思う。その新規建設を受注できればプラスに働くが、逆にメンテナンスの仕事がなくなる可能性もある。新規の建設にしても、日本は人口減少で市場が縮小し、一部のプラントは建て替えずに廃止、もしくは海外に移すところも出てくるかもしれない。
また、プラントの建設やメンテナンスは労務提供型の仕事なので、売り上げを伸ばすためには社員数を増やす必要があるが、簡単に人は増やせない。今のやり方のままでは、社員の数に応じた売り上げ、利益しか期待できない。
来期からスタート予定の新中期経営計画に向けて、役員でディスカッションしているが、検討すべきテーマとして一番に考えているのは、今の陣容でどうしたら生産性を上げられるかということ。組織や仕事のあり方を、もう一度総ざらいしてみる必要があるだろうと話をしている。
―生産性向上という意味では、付加価値の高い新規事業への取り組みも進めているが。
髙田 もちろん装置事業、設備診断事業、エンジニアリング事業などに取り組んでいるが、全社員がそれらに携わっているわけでもない。既存事業でも、やり方を見直すことで生産性が上がる余地を追求できるのではないかということだ。