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機械警備のさらなる高度化を推進 大坪潔晴㈱にしけい社長


週刊経済2022年12月27日発行

イベント復活、大型開発に期待

―事業の現況から。
大坪 4月に新型コロナの第6波が収まり、今期は社会・経済活動の復活を期待してスタートした。当社の事業でいうと、主として空港の保安検査部門の受注回復だが、その後の第7波で、空港部門の上期売り上げは、コロナの影響がなかった3年前の70%台までしか戻らなかった。しかし福岡では、博多どんたくや博多祇園山笠などのイベント復活を背景に、機械警備、常駐警備、金融受託部門の健闘もあって、上期はほぼ目標に近い業績を上げることができた。
―下期の業況は。
大坪 10月以降も期待値をほぼ達成している。このまま第8波の影響が広がらないよう願っている。
―現在の課題については。
大坪 労働力不足はますます深刻化している。他の業種や大手企業の採用が再開されたこともあり、当社の採用活動はコロナ禍の20年、21年よりもさらに厳しい状況。中期経営計画でうたっている機械警備の拡大、顧客の開拓にさらに力を入れていく必要がある。実際、空港の保安検査、大型施設、原子力発電所などの警備で人手不足の影響が少なからず出ており、常時応援体制を組んでいる現状で、その打開のためには、まず採用にしっかり取り組んで要員確保すること、そして警備現場へのAIカメラの導入、警備ロボットの導入など、機械警備の高度化に取り組んで、省人化、効率化を現場で実現していきたい。警備の高度化と機械警備の比率を上げることで、人による警備の比率を下げ、事業環境の変化に耐えうる体質の構築を地道に進める。
―新年度に向けては。
大坪 23年度は、社会・経済活動の復活、拡大に期待している。事業としては、中計の柱である機械警備のさらなる拡大に向け、先述のAIカメラやロボットの導入に一層力を入れていく。
また、今もいろんなスポーツイベントが復活しているが、来年度、7月には福岡で世界水泳が開催され、秋には福岡、大分、熊本を舞台に国際サイクルロードレース「ツール・ド・九州」も予定されている。そこに我々も参画して、「にしけい」の姿も皆さんに見ていただけるようにしたい。
―九州内では、熊本へのTSMCの進出で、周辺でも他の半導体関連の開発・投資も進んでいる。ビジネスにはつながりそうか。
大坪 今後、熊本、鹿児島エリアはもっと開拓したいという強い希望がある。半導体工場進出を機に、熊本市の北部エリアが急速に開発されるので、営業力を含む経営資源をある程度熊本に集中させ、新規の顧客獲得を目指す。鹿児島も営業展開強化を考えており、具体的な取り組みを現地の支社と相談している。
―足元の福岡市では天神ビッグバン、博多コネクティッドが本番だが。
大坪 23年春に開業予定の福岡大名ガーデンシティにこれから入居する企業へのアプローチや、他の開発ビルへの営業も積極的に進めていく。来年以降、ますます忙しくなることを期待している。