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森林保全活動によるCO2吸収量の売買契約 大分県中津市の山国川流域森林組合と西部ガス
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週刊経済2023年12月5日発行号
大分県中津市の森林を管理する山国川流域森林組合(林良巳組合長)と西部ガス㈱(道永幸典社長)は11月27日、農林中央金庫(奥和登理事長)の仲介によって、植林や下草刈り、間伐などの森林整備活動で創出したJ─クレジット(※)を西部ガスが購入する売買契約を結んだ。
山国川流域森林組合は、同市山国町での森林総合管理プロジェクトにおいて、森林経営計画に基づく適切な森林管理を行うことで森林のCO2吸収を促し、J─クレジットの認証を取得。今回のJ─クレジット販売で得られた収益は、森林の間伐や伐採後の再造林などの森林保全活動や今年7月の九州北部豪雨で被害を受けた林道の復旧などに活用し、森林資源の循環利用に取り組んでいく。一方、西部ガスは2050年のカーボンニュートラル実現に向けた「ガスの脱炭素化」の取組みとしてクレジット制度の活用拡大を掲げており、九州の森林で創出されたJ─クレジットを調達することでガス採掘や燃焼工程で生じるCO2を相殺する。今回は同森林組合がこの2年間で吸収したとみなすCO2(115トン分)を一括購入する。なお、同社が森林組合からJ─クレジットを調達するのは初めて。
売買を仲介した農林中央金庫は、中長期目標として「投融資先等のGHG排出量削減 2050年ネットゼロ」を掲げており、その中で森林由来のCO2吸収に取り組んでおいる。森林組合系統のJ─クレジット創出支援および地球温暖化対策に取り組む企業と森林組合系統との仲介を通じて、持続的な森林・林業経営の実現と森林資源の循環利用の促進を目指す。なお、農林中央金庫がJ─クレジット売買契約を仲介するのは今回が初めて。
※J─クレジット制度とは、適切な森林管理や省エネルギー設備の導入、再生可能エネルギーの利用などによる温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度。創出されたクレジットを活用することで、低炭素投資の促進を目指す。