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林業用荷外しオートチョーカーを開発  松本システムエンジニアリング    今秋発売へ


 粕屋郡篠栗町の産業用機械メーカー・松本システムエンジニアリング株式会社(松本良三社長)は、林野庁の委託事業で木材などの荷外し作業で使うオートチョーカー(ラジコン式自動荷外しフック)を開発している。今秋までに発売する。
 オートチョーカーは急傾斜地などで危険を伴う荷外し作業をリモコン操作で安全、効率的に進める機械で、ヨーロッパなど海外では製品化されている。ただ、海外製は高価な上に作業に用いるワイヤーロープの端末に特別な加工(加締め加工)を必要とするなどの難点もあり、日本では普及が進んでいない。このため同社では価格を低く抑え、作業には強度に優れた繊維ロープを使用できるように工夫し、日本の林業現場の実情に合わせた開発を進めている。このほか、材料にジュラルミンを使用するなど小型軽量化し、120m離れた地点からでも遠隔操作できる性能を持つ。開発に当たっては今年1月、林野庁のほか民間企業、団体の関係者や学識経験者などで構成する検討委員会を設置。技術的な助言や現場の要望を取り入れながら改良を進めてきた。8月からは高知大学で実証実験に入り、遅くても10月頃には製品化する方針。
 同社は1998年2月設立で、資本金は2400万円。従業員は20人で、2014年9月期の売上高は16億6100万円。ストレッチフィルムを使った自動包装機と建設及び林業用のアタッチメントを2本柱に展開している。松本社長は同機の開発について「ヨーロッパの製品は一台で180万円もすると聞いている。海外製と比べても見劣りしない機能や性能を持ち、価格を30万円台に抑えた製品を開発し、安全で効率的な作業ができるように普及を進めていきたい」と話している。