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来期にもオーダーメードの紳士用シャツ生産率10%へ   ジャパンルック   他社との差別化図る


 大手セレクトショップのOEMをメーンに紳士用シャツを製造する株式会社ジャパンルック(大牟田市宮山町、迫田宗左衛門社長)は、インターネット上で販売する自社ブランド「ZUNBANA(ズンバナ)」製品の一新を皮切りに、全製品数に占めるオーダーメードの割合を来期にも10%に引き上げる。
 昨年8月に紳士服販売のポータルサイト大手「ZEEL(ジール)」内で、ファクトリーブランドとして同ブランド製品を売り出したところ好調だったことから、海外との価格競争が激化する中で利益率を確保し、他社との差別化を図るのが狙い。2月からズンバナ製品を一新するほか、今秋から大手セレクトショップ向けにもオーダーメードシャツを供給する。
 「ZEEL」内では、S・M・Lのサイズ表記があるものの、注文を受けてから各人の寸法に合わせて縫製するオーダーメードシャツを37点販売。同サイトの全商品の中で、3週間にわたって注文ランキング1位という記録を残している。
 一新するズンバナ製品は「本物のシャツを届けること」をコンセプトに、厳選したヨーロッパ産の最高級生地を使用し、同社職人がヨーロッパから伝わった技術をベースに独自の感性を織り交ぜて縫い上げているのが特徴という。価格も1万2,000円台から上限5万円までと幅広く設定して販売する。
 迫田社長は「高度経済成長期を機に、量産が重視され、工程作業が簡素化して本来のシャツが持つ意味や技術が失われていった。着て下さる方に職人の技術と思いを伝えていきたい」と話している。
 同社は大阪でテーラーとして1930年創業、87年12月設立。資本金3,000万円。従業員105人(パート・アルバイト含む)。現在、東証1部上場の株式会社ユナイテッドアローズなど大手セレクトショップのほか、学校や警察の制服などのOEMが60%以上を占めるも、ズンバナブランド専門の販売子会社、有限会社ズンバナ(大牟田市宮山町、迫田社長)を設立して販売を強化。3年後をめどに、全製品数に占めるズンバナ製品の割合を、現在の数%から30%に引き上げる計画。05年9月期の売上高は5億7,000万円。
 迫田社長は大阪市旭区出身。1970年5月19日生まれの35歳。大阪市立高校卒。趣味は読書。