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来年夏目指し賃貸住宅対象のリート組成へ  篠原英明シノケングループ社長 


—今年は7月のインドネシアに続き、10月には日本国内でもリート(不動産投資信託)の運営に必要な認可が下りたが、今後の予定は。
 篠原 その後、金融庁に投資運用業の登録申請もして、この登録が済んだら、投資法人の設立、リートの組成という運びになる。法人設立が春、リートの組成が夏ごろになればと思っている。
—リートの対象物件は
 篠原 まずは東京23区のマンション。グループのデベロッパー、㈱プロパストが開発した物件も含め、リート用にマンションを準備している。棟数は未定だが、総額100億円規模を予定している。
—アパートメントに関しては。
 篠原 当初の想定よりも認可までに時間を要したこともあり、アパートメントは一般顧客に販売した。リート向けはこれから準備することになる。
—上場に関しては。
 篠原 一定の期間私募リートで運用して実績を出し、最低300億円程度の資産規模になった段階で考えたい。
—12月決算の業績予想を上方修正した。
 篠原 売上高900億円、経常利益80億円の計画だったが、それぞれ950億円、90億円の見通しになった。特に経常利益が目標を10%以上上回りそうになったことについては、よかったと思う。
—上振れした要因は。
 篠原 金融機関の個人向け融資審査が厳格化され、昨年後半からアパートメント販売への影響が出ているが、当初予想していた棟数に達しそうで、1棟あたりの利益も予想より上がっている。またこれはマンションも同様だった。2019年度は厳しい状況でのスタートだったが、よく耐えたと思う。
—9月までの第3四半期を見ると、不動産管理やゼネコン事業も業績をけん引している。
 篠原 管理物件は、販売した分が累積され自然増的な感覚で増えている。ゼネコン事業も受注残の中で20年度中の完成予定が19年度の完工を超える量になっているので、20年度はさらに伸びそうだ。
—また、インドネシアの大学と提携して、介護事業の人材養成・確保を進める計画もあるが。
 篠原 介護事業をもっと伸ばしたいのだが、国内では人材確保が厳しい状況。そこでつながりのあるインドネシアから外国人の特定技能枠を使って、継続的に人材を採っていこうと考えている。
提携したヌディワルヨ大学に日本語研修センターを設置して介護のカリキュラムも加えて人材を養成し、夏から秋ごろをめどに当社の介護施設での就労を計画している。また継続的に人材が入ってくる見通しなので、当社以外の介護施設への紹介も検討している。
—そのほか、新年度の取り組みについては。
 篠原 不動産販売中心から、管理や入居者向けサービスや介護事業といったストックビジネス中心への「ビジネストランスフォーメーション」を加速させたい。19年度の当初計画でも経常利益80億円のうち、アパートメント販売の構成比率は1割程度、不動産販売以外で半分以上を占めている。こうした、各事業どこからでも収益を上げられる体制をさらに固めていきたい。

2019年12月24日発行