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昭和商事石油を子会社化  新出光    九州のネットワーク網を強化


 石油製品販売大手の株式会社新出光(福岡市博多区上呉服町、出光泰典社長)は、昭和グループの石油製品販売会社、昭和商事石油株式会社(同市中央区大手門2丁目、金子護社長)の全株式を取得し、4月1日付で子会社化する。
 新出光は石油需要が減少傾向にある中、非石油事業を拡大する一方、基幹事業である石油事業の維持・強化も図っている。特にSS(給油所)事業は2011年に発足した株式会社イデックスリテール福岡をはじめ地域リテール会社体制に移行し、より地域密着路線を敷いており、地場大手である昭和商事石油の子会社化で、グループの九州におけるネットワーク網を強化する。株式の取得価格は非公表。
 昭和商事石油は、バス会社の昭和自動車株式会社や自動車販売の福岡トヨタ自動車株式会社などで形成する昭和グループの1社。1946(昭和21)年10月設立。資本金5000万円。昭和シェル石油の特約店で、福岡・佐賀を営業基盤に優良な一般・産業用需要家を数多く持つ。SSは福岡西部、北九州、佐賀・唐津地区で直営店18カ所、販売店13カ所を運営。2012年9月期売上高は149億円。従業員は100人。
 新出光は、九州各県(沖縄除く)や本州4拠点を持つ石油エネルギー商社として、SSでの小売や販売店への卸売(グループ店舗約400店)、産業用大口需要家向けの燃料販売のほか、太陽光発電システム販売などを手掛ける。また、グループでは自動車関連、環境・新エネルギー、オフィスの3事業に加えて、今年度から「食と暮らし」に関連する飲料水宅配やコンビニ(ローソンFC)、外食事業(コメダ珈琲店FC)に事業範囲を拡大している。

 早良区原に2店目のコメダ珈琲店

 また同社は2月4日、福岡市早良区原7丁目に「コメダ珈琲店 福岡原店」をオープンした。
 昨年12月に開所した同チェーンのFC事業1号店「ゆめタウン筑紫野店」(筑紫野市)に続く、子会社の株式会社i・ライフソリューションズ(博多区上呉服町、江藤晃一社長)が運営する2店舗目。コメダ珈琲店としては九州3店舗目で、福岡市西部地区初の店舗。場所は国道202号原交差点から直線で約500m南側、イオン原店南端から同約120m南側にある吉住内科医院の南西側。敷地面積は1110平方mで、駐車台数は31台。店舗面積は約200平方m。座席数は98席で禁煙74席、喫煙24席と完全分煙設計。店内はゆったりしたテーブルやソファーでゆっくりくつろげる仕様となっている。メニューはコーヒー各種や特製サンド、焼き立てデニッシュに冷たいソフトクリームをトッピングした名物「シロノワール」などのデザート。午前11時までコーヒーに無料でトーストとゆで玉子が付く、名古屋式のモーニングサービスも提供。年中無休で、営業時間は午前7時から午後11時まで。また、店舗には太陽光発電システム販売・施工を手がける新出光のノウハウを生かし、太陽光発電パネルを設置。設置規模は15・5kW。年間発電量は1万6170kWhで一般家庭の約4軒分に相当し、環境とエコに配慮した店舗を目指す。
 新出光のコメダ珈琲店FC事業は、非石油事業の拡大を図る一環でグループ初の飲食事業として開始。ゆめタウン筑紫野店、福岡原店に続き、久留米大石町店を7月に出店予定。15年度末までに九州10店舗体制を計画している。