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日韓旅客定期航路利用者、3年ぶりに100万人割る  九州運輸局    対馬―釜山航路は過去最高


 九州運輸局(福岡市博多区博多駅東、竹田浩三局長)は6月10日、2014年度の日韓旅客定期航路の輸送実績を発表、下関港を含む九州と韓国を結ぶ旅客定期航路の利用者は、前年度比9・0%減の96・3万人で、3年ぶりに100万人を下回った。
 国籍別では、韓国人利用者が14年4月のセウォル号沈没事故の影響を受け、前年度比5・9%減の78・7万人となった。日本人利用者は日韓関係や円安ウォン高の進行などが影響し、同19・8%減の16・0万人となり、前年度に引き続き統計データのある99年度以降、過去最低を記録した。航路別では、対馬―釜山航路が同2・7%増の38・5万人で過去最高を更新した。博多―釜山航路は同16・5%減の44・6万人、下関―釜山航路は同11・8%減の13・2万人となり、ともに前年度を大きく下回った。
 今年度の状況については、日本人利用者は依然として低調だが、韓国人利用者は対馬人気やウォン高などで前年度に比べ順調な滑り出しとなっており、セウォル号事故前の水準に近い実績となっている。同局企画観光部の榎本通也部長は「一番近い日本として対馬の人気は高く、韓国人の利用者数は増加傾向にあるが、日本人の利用者数減少の影響が大きい。今年は日韓国交正常化50周年の年。運行事業者や観光関係者などの連携を深め、日韓旅客定期航路のさらなる活性化を図っていきたい」と話している。 
 日韓定期旅客航路の活性化については、昨年10月に「日韓定期旅客航路活性化協議会」を発足。日韓定期旅客航路について現状と課題を整理するとともに、新たな旅行商品の開発を中心に、双方向の観光利用促進に向けた協議を進めている。(協議会メンバー=JR九州高速船株式会社、カメリアライン株式会社、関釜フェリー株式会社、福岡市、九州観光推進機構、駐福岡大韓民国総領事館、韓国観光公社福岡支社、福岡・釜山経済協力事務所、九州運輸局企画観光部・海事振興部)