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日産九州工場内に車両組み立て工場を起工  日産車体九州    09年春稼働、生産能力は年間12万台


 日産自動車系車両メーカー・日産車体株式会社(神奈川県平塚市、高木茂社長)の全額出資子会社・日産車体九州株式会社(京都郡苅田町、同社長)は、10月15日、日産自動車九州工場内に車両組み立て工場を起工した。
 工場は、同工場の駐車場として使われていた南側の敷地に建設する。敷地面積は約17万平方m、建築面積は7万2,500平方mで、車体工場、塗装工場、組み立て工場の3棟で構成する。総投資額は約300億円。工場の建屋(総工費約100億円)は、日産自動車が建設し、日産車体が借り入れる。工場の生産能力は年間12万台で、高級ミニバン「エルグランド」と北米向けのミニバン「クエスト」の2車種を生産する。工場は2008(平成20)年末までに完成、09(平成21)年春に稼働。従業員数1,000人体制で生産を始める。日産車体はこれまで、神奈川県平塚市の湘南工場第1工区、第2工区で車両を生産していたが、第一工区の設備が老朽化していることや、住宅地に隣接していることなどから、第1工区の生産ラインを第2工区に集約する一方で、新たな生産拠点の建設を計画していた。
 日産九州工場内に工場を建設した背景を高木茂社長は「北部九州に自動車メーカーが立地し、部品メーカーをはじめとするサプライヤー企業の集積が高いことや、アジア地域に近いこと、あるいは日産九州工場内は敷地に余裕があり、ふ頭が隣接し物流機能に恵まれていることなどから工場新設を決めた」と説明した。
 同日の起工式には来賓を含む約50人が出席。日産自動車の今津英敏社長は「九州工場の累計生産台数は1100万台に達し、日産のグローバル生産をけん引する国内最大級の生産拠点に成長した。日産車体は、事業運営上の課題で年間12万台の生産能力を持つ最新鋭工場を建設されることになり、日産グループの九州における生産台数は年間65万台に達する。北部九州で自動車の生産を始めたパイオニア(先駆者)として、福岡県が進める150万台構想の一翼を担うメーカーの責務は大きい。県をはじめ、関係者のさらなる支援を賜りたい」とあいさつした。
 来賓の麻生渡知事は「日産車体九州が、苅田町に車両組み立て工場を建設されることを心から感謝したい。日産自動車と日産車体九州が年間65万台の生産能力を持つ、最大で最新鋭の工場として大きく発展されることを期待する。県としては、人材育成、企業誘致、地元企業の参入、インフラ整備など最大限協力していきたい」と祝辞を述べた。