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新年度はデジタル対応を加速  柴田祐司イオン九州社長


S&B含め店舗展開も再開

—第3四半期、11月までの業績は。
 柴田 数値は未発表だが、売り上げ的にはまずまず順調だったが、9〜11月の第3四半期は消費増税対策で利益は圧縮された。また駆け込み需要があった化粧品や家電なども11月には昨年並みに戻るなど、割と回復は早い。年末年始まで見ないと確かなことは言えないが、増税の影響はある程度克服できたかなという印象。増税に伴うポイント還元の影響は未知数だ。
—今年の総括としては。
 柴田 一番大きいのは食品がほぼ前年並みになったこと。来店客数は前年割れが続いていたが11月は前年を超えた。食品の客数が増えれば、衣料や住居・余暇商品も恩恵を受けるので、これまでやってきた重点商品の販売強化などの取り組みが少し実を結んできたかなという実感だ。
—新年度からについては。
 柴田 今後に向けてという意味ではデジタル対応。イオンはイギリスのネットスーパー、オカドと提携したが、九州での動きは2〜3年後になるだろう。それまでにこちらも準備を進めておく必要がある。
また、デジタルで喫緊なのはレジレスの導入で、現在プロジェクトを組んで準備を進めている。そのほかイオン九州アプリは、現在30万DLほどだが、目標の100万に向けて、単なるチラシ替わりではなく、もっとお客様に有益な情報、来店につながる情報を発信できるようにすることが最優先だと思う。
そのほかデジタル分野では、オリンピックの種目としても検討されているeスポーツに注目している。われわれのモールの中に会場を設置して、時間貸しや有料での観戦などでビジネスになる可能性もある。
—デジタル以外に関しては。
 柴田 最近では、閉店などで店舗網を縮小してきたが、来期からはスクラップ&ビルトも含めて新店の展開を進めていきたい。また、今年から実験的に取り組み始めた都市型の小型店「ニコキッチン」では、当初グロッサリも入れて調理の需要も想定していた。ところがニーズとしては圧倒的に「即食」で、そちらにシフトするなど、試行錯誤をしている。イートインスペースの工夫も必要だろう。
10月からは、初のFC事業としてタピオカドリンク店「フードボート カフェ」をイオン二日市店にオープンした。自前でやるよりも展開もしやすいし、収益源になれば他の業態も含めて取り組んでいく。飲食系を軸としたFCをどうものにしていくか、新年に向けては一番大きなところだ。
それから取引先から聞いたところでは、最近男性化粧品、40歳くらいの方を中心にファンデーションやアイプチなどが売れているという。またホームセンターでは、男性化粧品を分かりやすくまとめて置いたら年配のお客様などに売れているという話だ。われわれも、そうした各店、各売り場単位での細かな取り組みにも力を入れていきたい。

2019年12月24日発行