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新年の一語、コロナ克服願い「越禍」 藤永福岡商工会議所会頭年頭あいさつ


週刊経済2021年1月13日発行

   福岡商工会議所(福岡市博多区博多駅前)は1月5日、藤永憲一会頭が年頭のあいさつを動画で配信し、コロナ禍克服に向けた思いなどを語った。
例年、1月5日に1千人以上が参加する新年賀詞交換会を開催してきた同会議所。今年はコロナ禍の影響を鑑みて、当初は着座形式感染対策に配慮した形で開催する予定だったが、12月以降の感染急拡大を受けて昨年末に中止を決断。代替として、会頭、副会頭の年頭あいさつを動画でライブ配信することを決めた。
藤永会頭はあいさつで、まずコロナ禍に伴う深刻な地元商工業者への打撃、それに伴う同会議所の支援の取り組みに触れ、「昨年3月に共同相談窓口を開設して以降、市や県に具体的な支援についての緊急要望を提言したほか、「福岡外食応援団」などの取り組みを通じ、飲食店の感染防止策と営業の両立を支援してきた。また、オンラインを活用した商談会・交流会なども積極的に開催してきた」と活動を振り返った。その上で、「今も新型コロナの感染拡大が続いており、終息は兆しが見えない。ワクチンや治療法が確立されるまでは、感染拡大防止と経済活動の両立を図らなければならない」と課題を見据え、「コロナ禍をきっかけに、リスクマネジメントやデジタル化の遅れといた課題も顕在化した。事業承継、人手不足、生産性向上など従来からの課題にも対応が求められており、当会議所としては設立の原点に立ち返り、コロナ禍でも事業を継続、維持できるようなきめ細かな『伴走型支援』を続けていく」と方針を示した。
同会議所の賀詞交換会では、毎年会頭が「新年の一語」を記した書初めを披露するのが定番となっており、今年も配信の中で発表。今年の一語はコロナ禍克服への思いを込めた造語「越禍」とした。「コロナを乗り越えて明るい未来を描きたいという思いで、辞書には載っていない言葉を選んだ。今年の干支は『辛丑(かのとうし)』。痛みを乗り越え、新たな希望が芽吹くという意味を持つそうで、『越禍』と通ずるものがある」と収束に向けた願いを語った。