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新型コロナ響き初決算は計画割れ  福岡国際空港


2月以降の減少大きく旅客数7%減

福岡空港民営化に伴い昨年4月に発足した福岡国際空港㈱(福岡市博多区下臼井、永竿哲哉社長)にとって初となる20年3月期の連結決算は、売上高に当たる営業収益が434億円、経常損益が93億円の赤字となり、新型コロナウイルス感染拡大の影響で計画値を大きく下回った。
営業収益は当初の計画値の505億円に対し、13・2%減。経常損益は14億円の黒字を見込んでいたのに対し、12億円の赤字だった。当期純利益は当初から65億円の赤字を見込んでいたが、実績値では93億円の赤字と計画を大きく下回った。19年度の全路線の旅客数は前年度比7%減の2303万人。19年1月までは概ね計画通りに推移していたが、新型コロナウイルスの影響で2月以降は国際線を中心に大幅な旅客数減に見舞われた。国内線は同2%減の1756万人。今年2月までは大きな影響は見られなかったが、3月はほぼ半減となった。国際線は同21%減の546万人。昨年8月から日韓関係の悪化を背景とした韓国路線の旅客数減が響、き前年実績を下回り続けており、新型コロナウイルスの感染が広がった2月からはさらに急減。3月は前年同月比93%減の4万8000人にまで落ち込んだ。
営業収益の内訳は、空港運営事業収入が96億円、不動産収入が134億円、空港免税店売上が111億円、市中免税店売上が35億円。特に空港免税店の売り上げは前年比27%減と影響が大きかった。また前期の運営権対価に関わる費用は177億円となっている。
緊急事態宣言を経た4月、5月はさらに旅客数の落ち込みが激しくなっており、同社広報によると、「緊急事態宣言の解除以降、天神や博多に人が戻り始めていると聞くが、まだ旅客数には大きな改善は見られていない。大手航空会社も国内線の減便措置を継続しており、国際線も計画本数を大幅に下回る状況が続いている」と実情を話している。

2020年6月9日発行