NEWS
新型コロナウイルスの影響が縮小、回復基調に 古池善司㈱福岡リアルティ社長
Tag:
週刊経済2021年12月21日発行
新規物件の取得を推進
㈱福岡リアルティ(福岡市博多区住吉1丁目)が運用する福岡リート投資法人の資産の中で、コロナの影響を受けている商業施設やホテルも徐々に回復の兆しを見せている。今後も前向きにオフィスビル、物流施設等新規物件の取得に意欲を見せる古池社長に聞いた。
―最近の活動と現在の所感は。
古池 10月に福岡リート投資法人の34期決算発表があり、以降のIR活動で、機関投資家、アナリスト、主要な取引金融機関などステークホルダーの皆様と対話をさせていただいた。6月の社長就任後、初めての決算ということもあり、改めて皆様の期待に応えねばという責任を実感している。
―34期は微減収ながら増益。9~2月の現35期は。
古池 34期に売却したキャナルシティ博多・B グランドビル分の収益と売却益の剥落で減収減益となるが、分配金は3500円を予想している。今後この分配金水準を維持しながら、さらなる分配金の成長を目指していく。
―現在の業況はいかがですか。
古池 福岡県の独自の時短要請が10月中旬に解除された以降、商業施設の客足や売り上げが戻ってきている状況。木の葉モール橋本やサンリブシティ小倉はリニューアルを完了しており、そのプラス効果も表れている。パークプレイス大分でも、ご来場動機を高めるためのお子様向け遊びのスペースが、今春リニューアルを完了する予定だ。
―キャナルシティ博多は。
古池 九州外のお客様が旅行でお越しになるまでまだ時間がかかりそうだが、九州内の他県から車で来られる方は戻ってきているように思う。このままコロナが落ち着いて、政府の経済対策などのエンジンが回ってくれば、キャナルシティ博多も国内需要の部分が確実に戻ってくると思う。
―オフィスビルや物流施設、ホテルについては。
古池 オフィスはコロナの状況とは関係なく足元は順調。物流も100%稼働が続いている。ホテルは、都心部ではビジネスのお客様が戻ってきているが、観光の需要はまだまだ回復途上ではないかと。
―今後の資産の新規取得は。
古池 次の36期、3月に「博多筑紫通りセンタービル(仮称)」の取得を予定している。オフィスビルで8階建て、延べ床面積は8622㎡、取得額は43億2千万円。築30年だが、内部成長を見込める。
―36期は増収予想だが、それが要因か。
古池 そう。また、コロナ関連も少し落ち着くことで外的環境の好転も織り込んでいる。今のところ想定していないが、緊急事態宣言の再発出などマイナス面のリスクについては、楽観視せず注視している。また36期はキャナルシティ博多と競合する「ららぽーと福岡」が開業する。いろいろな施策を検討して影響を最小限にしていく。
―今後に向けた取り組みは。
古池 投資家の皆様の期待を考えると、資産規模を拡大し、分配金もそれに見合う水準に上げることだと思っている。既存物件の成長に加えて、新規物件の取得により前向きに取り組みたい。
―今後取得を進める資産のカテゴリは。
古池 やはりコロナの状況を見据えると、収益が比較的安定しているオフィスビル、物流施設。スポンサーと協議を進めて取得の可能性を高めていきたい。