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新倉庫建設の山田港運倉庫に協調融資を実施 日本公庫北九州支店


週刊経済2023年4月18日発行

西日本シティ銀と連携

㈱日本政策金融公庫北九州支店(北九州市小倉北区鍛治町1丁目、諏訪宣善支店長)中小企業事業は3月31日、㈱西日本シティ銀行(北九州営業部)と協調し、港湾運送業・倉庫業を手掛ける山田港運倉庫㈱(同市小倉北区西港町、山田康一朗社長)に協調融資を行った。融資総額は非公表。
同社は1951年に創業して以来、北九州市小倉日明港で港湾運送業および倉庫業を中心に展開。事業拡大に伴い、保管量の増強と従業員の新規雇用を目的に設備投資を計画。本社近接地に新倉庫を建設することから今回の協調融資となった。新倉庫の建築面積は1983㎡の鉄骨平屋建て。昨年6月に着工し、今年3月に完成。新倉庫では電気炉に必要な電極(黒鉛電極)の主原料となる「ニードルコークス」などのバルク(ばら荷)保管場所として活用する方針。同社では「現在、取引先のカーボンニュートラルの実現に向けてニーズが高まっている。今後は電気炉向けの資材倉庫として活用していく」と話している。
同社は1956年12月に設立。資本金は3千万円、従業員数は76人(グループ)、2022年9月期の売上高は21億1800万円。

西日本シティ銀との連携でケーメックに融資

また、同支店は3月31日、㈱西日本シティ銀行折尾支店と連携し、配電盤・電力制御装置製造業の㈱ケーメック(北九州市若松区南二島2丁目、広松英和社長)に協調融資を実施した。融資額は非公表。
ケーメックは電気・機械・システム開発において、製造から保守に至る工程を一貫して展開。製造現場の自動化・ロボット化を検討する取引先に対し、課題解決に向けたオーダーメイドの自動化設備システムを提案している。近年、自動車業界のEV(電気自動車)シフト化などを背景に、リチウムイオンバッテリー製造に欠かせない「充放電検査装置」の急速な需要拡大が見込まれることから新工場建設を計画。今回の協調融資となった。
場所は国道495号(竹並バイパス)沿いの芦屋中央病院から約150m東側。敷地面積は5484㎡、新工場は建築面積1187㎡、延べ床面積1381㎡の鉄骨造り2階建て。新工場は昨年7月に着工し、今年1月に完成。完成後は主に配電盤・電力制御装置および充放電検査装置を製造する方針。同社は現在、若松区と門司区、小倉南区、八幡西区に各1カ所の計4工場を有しているが、将来的には本社工場と新工場の2カ所に集約を予定している。同社では「新工場では天井高を高く設定し、天井に遮熱シートを設置。大型制作物への対応に加えて空調などの節電効果、従業員の作業環境改善効果も見込まれる」と話している。
ケーメックは2003年9月に設立。資本金は1400万円、従業員数は103人、22年6月期の売上高は17億円。