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指定管理制度見直しへ、指定期間最大10年に 北九州市


週刊経済2024年5月1日発行号

競争性確保へ、トライアル制度も導入

北九州市は4月11日、「指定管理者制度」の見直し案を発表。指定期間の長期化などの見直しを進める。
指定管理者制度とは、ノウハウを持つ民間企業が公共施設の管理を担う公民連携の手法の一つ。同市もこれまで、254施設で指定管理者制度を導入してきたが、導入施設の7割が1社のみの応募であり、十分な競争原理が働いていないという課題があった。また、事業者がノウハウを十分に発揮できるための環境も整っていなかったという。そこで、武内市政では昨年から有識者会議などを通じて同制度の見直しに向けた検討を進め、「企業の参入促進」と「施設の価値向上」の二つの視点から見直し案を策定した。見直し案では、競争性の確保に向け、指定期間の長期化及び更新制の導入を打ち出しており、実績評価の高い施設の事業者に対し、通常5年の指定期間をさらに1期分更新できるようにする。これにより、最長で10年の管理が可能となった。また、指定管理料上限額の算定ルールを整備するほか、老朽化や物価変動などのリスク分担の見直しも進め、事業者が応募しやすい仕組みを構築する。また、施設の価値向上の面では、従来型の「仕様発注」ではなく「性能発注」を徹底する方針を示したほか、指定管理者の自主事業への挑戦を応援するために、実施検討段階での施設の無償利用を認める「トライアル事業制度」を創設する方針も示した。7月頃から、準備ができたものから順次公募を開始していく予定。
武内和久市長は会見で「事業者の方々が応募しやすい競争性を確保しつつ、その施設の持っているポテンシャルを最大化していくことで、公共施設の新たな価値を掘り起こしていきたい」と意気込みを話している。