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徳益―柳川西間4・5キロが9月16日に開通 福岡国道事務所


有明海沿岸道路県内区間

福岡国道整備事務所が柳川市で整備を進める有明海沿岸道路徳益—柳川西間は、9月16日に開通することが正式決定した。

延長4・5キロ、暫定2車線の自動車専用道路で、同区間にはインターチェンジが設置される。高架橋工事はほぼ完成しており、現在は舗装工事や標識、非常電話、安全施設、照明などの作業が行われている。

同区間の開通によって、大牟田市の三池港から大川市の大川東間19・3キロが自動車専用道路として直結、沿線地域の民間投資や交流人口拡大が期待される。

有明海沿岸道路の県内区間は2008(平成20)年3月に大牟田市の三池港とみやま市の高田間、柳川市の大和南と大川市の大川中央(一般道路部も含む)間の開通を機に、自動車専用部の延長が進められてきた。現在、大川東から佐賀県側への延伸工事が進んでいるほか、大牟田市から熊本県側への延伸に向けた調査などが行われている。4市直結を記念した式典も開かれる。

沿線の企業誘致、三池港の貨物量が大幅増

また、同事務所は9年間にわたる有明海沿岸道路の整備効果を発表。道路開通がもたらした沿線への開通効果は①民間投資②物流③利便性向上④安全性向上の4項目で現れている。

民間投資では沿線の大牟田市、みやま市、柳川市、大川市には開通以降、企業、商業施設、大学など計61社が進出。このうち大牟田市では環境リサイクル企業の受け皿となる大牟田エコタウンには12社が進出、雇用者数は開通前の06年度比約2・3倍の261人まで増加しているという。商業施設では大牟田市の大牟田インター近くに佐賀市までを商圏とするイオンモール大牟田、柳川市の徳益インター近くでは広島市のイズミのスーパーマーケットを核とした複合商業施設・ゆめモール柳川がオープン、大学では大牟田インター近くに帝京大学福岡医療技術部が開学している。

物流では道路の起点にあたる重要港湾・三池港の広域物流ネットワークが大幅に改善されたことで、国際コンテナ貨物量は10年間で約22倍、大川市の家具装備品の出荷額は6年間で約1・5倍まで増加している。利便性向上では三池港から九州佐賀国際空港間の所要時間が未整備区間の1時間30分から45分に半減したことで、佐賀空港の乗降客数が約66万人まで増加、空港施設の売り上げも1・8倍まで増えている。また、道路の利用者数は08年3月の初開通以降、利用者は増加傾向にあり、現在の利用者数は1日当たり約8万3000人に達している。安全性の向上では並行する一般道路から有明海沿岸道路への転換が約4割に上り、現道の国道208号では死傷事故件数が約2割減少している。

2017年8月1日発行