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小川知事、「工芸品全国大会機に復興をアピール」 福岡県


1月号インタビュー抜粋

小川洋福岡県知事は、本誌1月号「新年トップインタビュー」の取材に応え、来年の伝統工芸品月間国民会議全国大会に向けた意気込みなどを語った。以下、インタビューを抜粋。

—2017年を振り返って、最も印象に残っているのは。

 小川 7月の九州北部豪雨は本県にとって大きな衝撃だった。黒川地区で観測した9時間で774mmという雨量は、国内観測史上最高の記録。福岡県では35人の尊い命が失われ、現在も3人の方の捜索が続いており、朝倉市・東峰村といった地域への被害総額は1900億円を超えた。復旧復興も進んでいるが、まだ被災者の生活が再建できたと言える状況ではないので、9月、12月の補正予算で1009億円、過去最高規模の災害対策費を編成した。河川など公共土木施設の改良工事を中心に、地域の事業者をサポートするための金融支援やプレミアム付き商品券の発行などに全力で取り組んでいく。

—10月27日から4日間、天皇皇后両陛下が来県された。

 小川 両陛下はまず被災地へご訪問され、被災者や災害対応に尽力された方々に心のこもったお見舞いと励ましの言葉をいただいた。10月29日には、両陛下のご臨席を仰ぎ、宗像市で三大行幸啓の一つである「第37回全国豊かな海づくり大会」を開催した。7月に「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」が世界遺産に登録された宗像の地で、両陛下をお迎えしてこの大会を行えるのは、二重の喜びだった。そのほかにも、宗像大社や安川電機、北九州エコタウンセンターなど、県内各地を精力的にご訪問され、被災地はもとより県民の方々の大きな励みになったと思う。両陛下の地域への訪問の重さ、すばらしさを改めて実感した。

—2018年に力を入れることは。

 小川 11月に、伝統工芸品月間国民会議全国大会が福岡県で開催される。工芸品の発信を目的とした毎年5万から10万人の方が来場される大会で、博多織発祥777年、久留米絣の考案者・井上伝さんの没後150周年、小石原焼伝統産業会館が会館20周年を迎えるなど、県内産地で節目を迎える年でもある。この大会を必ず成功させ、東峰村の小石原焼をはじめ、被災地の復興ぶりを全国にお見せしたい。

2017年12月12日発行