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小倉北区のスマートオフィスビル完工 ミクニ
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週刊経済2024年8月14・21日発行号
「コクラ・クロサキリビテーション」第1号
ワールドホールディングスグループで不動産事業の㈱ミクニ(北九州市小倉北区紺屋町、西田宏二社長)が同区魚町3丁目に建設していたオフィスビル「BIZIA KOKURA(ビジア小倉)」が7月17日に完工、23日に竣工(しゅんこう)式を催した。北九州市が民間開発の誘導と企業誘致の促進を目的に2022年に打ち出した規制緩和・補助事業「コクラ・クロサキリビテーション」の第1号案件。
場所は同社が所有する西日本シティ銀行北九州総本部跡で敷地面積は1255㎡。13階建て延べ床面積は9857㎡、容積率は規制緩和によって従来の600%から750%に拡大されている。1階はエントランスとエレベーターホールで、外部は1~2階吹き抜けの緑化部分を設けた公開空地にしており、地域のイベントなどにも活用できるようにする計画。2階はテナントのコミュニケーションラウンジと貸会議室、3~12階と13階の一部はテナントフロアで、テナントスペース内は柱がなく、フレキシブルなレイアウト変更が可能なグリッドパネル式の天井を採用し、各階にリフレッシュスペースも備えている。13階の一部はテナントワーカー全体のリフレッシュゾーンとして、テーブル・いす・ベンチを置いた屋上庭園を設えている。
セキュリティ面では1階エントランスに顔認証付き非接触型フラッパーゲートを設け、さらに緊急時にガードマンが急行する「ALSOKガードシステム」も導入。BCP対策では、断水時用の貯水施設を備え、共用部は24時間供用が可能。災害時には2階のコミュニケーションラウンジが防災拠点になる造りで、13階に防災備蓄倉庫も設置している。また使用する電力は地元の発電事業者、㈱北九州パワーの100%再エネ由来。
現在、日本IBMなど複数のIT企業が入居を決めており、10月頃から順次業務を開始する予定。
竣工式で同社の山田秀典会長は「ビジア小倉は、北九州市のIT企業誘致促進の一環としてBCP対策、感染症対策、ワーカーのウェルネスに重点を置き、100%再エネ電力も導入した、これまで北九州になかったスペックのオフィスビル。テナント様にはその点を評価していただいたと思っている」、㈱ワールドホールディングスの伊井田栄吉会長兼社長は「街づくりは、点から始まり線になり、線から面に広がっていく。ビジア小倉は、周辺の旦過市場や勝山公園一帯の賑わいにつながる『発信の地』になれると思う。また北九州の特色である自然豊かな環境も生かして、都市型のリゾートワーケーションを創出する起爆剤にもなってほしい」、武内和久北九州市長は「コクラ・クロサキリビテーション第1号案件であるビジア小倉の完成で、この小倉の地にクリエイティブな人材が集まる。リビテーションはこの後も、京町3丁目14番地区で新たなオフィスビル建設のプロジェクトが動き出しており、そのほかにも土地所有者、不動産関係者、銀行関係者の皆さんから 新築や建て替えの検討・相談をいただいている。また周辺の旦過市場では、令和9年度に北九州市立大学の新学部が開校する。大学生とビジア小倉で働くクリエイティブワーカーと街が協働・コラボレーションする新たな動きに期待している」と語った。