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宿泊稼働指数、3月は10pt以下で過去最低水準に 九州経済調査協会


空室数は1万室超に

 九州経済調査協会(福岡市中央区渡辺通、高木直人理事長)は3月18日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う宿泊施設の影響についてレポートをまとめ、3月(3月18日時点)の福岡県の日次宿泊稼働指数(日次の空室水準を指標化したもの)は前年同月の指標を約56pt下回る8・5ptと急減した。
新型コロナ完成拡大に伴うインバウンドの急減を受け、1月は前年同月から6・0pt減の36・7pt、2月は同27・2pt減の37・5ptと空室が拡大傾向に入っていたが、福岡県でも感染者が確認され、政府によるイベント自粛要請や休校要請などが重なった2月下旬から国内のビジネス需要も急減し、3月に入ってからは10ptを下回る水準で推移している。同協会の調査ベースでは過去最大の下げ幅であるとともに、過去最低水準の数値となっており、昨今のホテル開発ラッシュでホテルの部屋数が急増していることも相まって、空室数は3月平均で1万室を超えているという。
小柳真二研究主査は「リーマンショックや東日本大震災の際も、ここまでビジネス需要が細ることはなかった」と説明し、「もともと大規模供給が重なり『オーバーストア』が指摘されていただけに、一挙に供給過多の『調整局面』が訪れた印象」と宿泊業界の深刻さを語った。

2020年4月7日発行