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実証実験支援事業で水害対策の2件を採択 福岡市と福岡地域戦略推進協議会


週刊経済2022年6月21日発行

年度内実施

福岡市と福岡地域戦略推進協議会(略称FDC、福岡市博多区博多駅前2丁目、麻生泰会長)は5月27日、「福岡市実証実験フルサポート事業」で、水害対策につながる実証実験2件を採択した。
福岡市実証実験フルサポート事業では、先端技術などを活用し社会課題の解決などを目指すプロジェクトを全国から募集。福岡市民の生活向上や安全性、社会実装の可能性など複合的な視点から採択した事業に対して、関係部局との調整や広報支援、実証フィールドの提供、国家戦略特区を活用した規制緩和などで支援する。
採択したのは、東亜建設技術㈱(福岡市西区、藤田茂久社長)の浸水検知システムによる危機管理の有効性検証と、クボタ環境エンジニアリング㈱(東京都中央区、中河浩一社長)の水害対策ワンストップソリューション検証の2件。東亜建設技術は、IoT機器を活用し水位を遠隔でリアルタイムで把握する浸水検知システムについて、ため池現場での適切な運用環境や技術的課題を検証。豪雨発生時など非常時の適切な状況把握を可能にし、避難判断の迅速化などを目指す。クボタ環境エンジニアリングは、降雨流出モデルを活用し排水機場や河川の水位予測をするシミュレーターについて、過去の出水データを用いた再現性などを検証。水害の頻発・激甚化に備え予測モデルの精度向上による浸水リスクの低減を目指す。年度内の実証実験実施を予定しており、フィールドとなるため池や河川も現在調整中。