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太陽光・PPA事業で蓄電池を組み合わせたサービス 新出光
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週刊経済2021年5月25日発行
米国テスラ社の蓄電池を国内初採用
石油製品販売大手の㈱新出光(福岡市博多区上呉服町、出光泰典社長兼グループCEO)は、今年度からPPAモデルによる太陽光自家消費モデルサービス「0plan(ゼロプラン)」事業で蓄電池を組み合わせたサービスの提供を開始した。 近年、自然災害が増加する中、非常時にも安定して電気を供給できる蓄電システムのニーズが高まっている。初期費用がかからないゼロプラン事業のオプションサービスとして、太陽光で発電した電力をためておき、夜間や停電時にも継続的に電気を利用できる蓄電池を提供することで、再生可能エネルギーの利用促進や自家消費の普及拡大につなげていく。
ゼロプランの蓄電池には米国テスラ社のPowerwallを採用。今回、新出光はテスラ社から同蓄電池の認定提供会社に認定されており、PPAモデルによる同蓄電池の提供は国内で初めて。同蓄電池は蓄電容量が 13・5kWhと大容量かつ5kWの高出力でコストパフォーマンスに優れるのが特長。最大10台を並列に拡張できる。新出光では、早ければ今夏にもグループ会社が運営するコメダ珈琲北九州守恒店に同蓄電池を設置。利用データを収集・分析しながら、同サービスの提案に生かしていく方針。
PPAモデルとは電力消費者がPPA事業者に敷地や屋根などのスペースを提供し、同事業者が発電設備の無償設置や運用・保守を行うビジネスモデル。初期費用や維持管理費などがかからず再エネを導入しやすいだけでなく、基本的には電気代の低減を目的とした自家消費を促す仕組みのため、送電系統に負担をかけずに再エネを増やしていけるメリットがある。同社では前年度からゼロプラン事業を本格開始し、今年度中に約200件、太陽光パネル供給量26MWの受注を目指している。
新出光の電力事業は2015年4月に特定規模電気事業者として法人向けに50kW以上の高圧電力の販売を開始。その後16年7月から家庭向けの低圧電力「イデックスでんき」の販売も開始し、高圧電力と低圧電力を合わせると昨年3月時の年間供給電力量は10億kWh。イデックスでんきは日本トレンドリサーチ(運営・㈱NEXER)が今年3月に実施した電力会社についての調査で、「九州で信頼できる電力会社」の項目で第1位を獲得した。