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太陽光の発電による再エネアグリゲーションサービス 西部ガスグループのエネ・シードと川崎市の東芝ESS
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週刊経済2024年3月12日発行号
西部ガスグループの再生エネルギー事業会社、エネ・シード㈱(福岡市博多区千代1丁目、舛本孝文社長)は、エネ・シード久留米太陽光発電所(久留米市、発電容量1・0MW)の再エネ電力を東芝エネルギーシステムズ㈱(川崎市、島田太郎社長、以下「東芝ESS」)がアグリゲーター(※)として卸電力市場に売電する再エネアグリゲーションサービスの電力受給契約を締結し、3月1日から電力受給を始めた。契約期間は2025年2月末まで。
東芝ESSが再エネバランシンググループ(事業者集団)を構成し、FIT制度(固定価格買取制度)からFIP制度(売電価格に一定の補助額が上乗せされる制度)へ切り替えたエネ・シード久留米太陽光発電所の再エネ電力を買い取り、卸電力市場に売却する。また契約期間中は、エネ・シードの売電収入がFIT買い取り時の収入以上となるように東芝ESSが再エネ電力を買い取る。これにより発電事業者のエネ・シードは、バランシング責務とマーケットリスクを負わない疑似的なFITスキームを構築することが可能となり、事業収益の安定化につながる。
西部ガスグループは「西部ガスグループカーボンニュートラル2050」において、2030年度の再エネ電源取扱量注1200MWの達成を目指しており、取扱量拡大に向けた取り組みの一つとして、アグリゲーターとの連携による事業モデルの確立を検討してきた。一方、東芝ESSは、東芝ネクストクラフトベルケ㈱が提供するSaaS(クラウドソフトウェアサービス)を活用し、アグリゲーターとして再エネ電源を束ね、計画値同時同量業務と電力取引業務を発電事業者に代わって行う再エネアグリゲーション事業を2022年5月に開始し、事業を拡大している。両社は今回の契約を踏まえ、他の案件においても適宜連携を検討していく。
※アグリゲーターとは、需要家の電力需要を束ねて効果的にエネルギーマネジメントサービスを提供するマーケター、ブローカー。