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天然水製造会社と業務・資本提携 新出光 全国、海外へ普及拡大目指す
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石油製品販売大手の株式会社新出光(福岡市博多区上呉服町、出光泰典社長)は12月17日、島根県浜田市金城(かなぎ)町下来原のミネラルウォーター製造販売会社、株式会社ケイ・エフ・ジー(戸津川隆子社長)と業務・資本提携した。
新出光は「食とくらし」に関連する新事業として、グループ会社の株式会社i・ライフソリューションズ(博多区上呉服町、江藤晃一社長) で2013年7月から水宅配事業(ホームオフィスデリバリー)を開始。この「非加熱処理のアルカリ天然水・リセットタイム」の商品供給元であり、非加熱・硝酸態窒素未検出という良質な水源を保有するケイ・エフ・ジーと、天然水事業の全国、海外への普及拡大で意見が一致。ケイ・エフ・ジーの発行済株式のうち、33・34%の普通株式を新出光が譲り受け、経営に参画する。
ケイ・エフ・ジーは1989年11月創業。資本金1億7300万円。従業員51人(今年1月現在)。中国山脈のふもとで、昔から良質の温泉地帯として知られる金城町に水源を保有。その地下700mの花崗岩の下から噴出した原水は、そのままでアルカリ度が8・2~8・4ある純天然のアルカリイオン水という。同社商品は世界的な食品コンテスト「モンドセレクション」で7年連続最高金賞を受賞。主な販売先はセブン‐イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂、タカラ物流システムなど。
新出光は1926年3月創業。資本金1億円。従業員366人(今年1月現在)。2014年3月期売上高は3070億円。26年の創立100周年を見据え、基幹の石油事業と非石油事業の利益を同等にする構造改革に着手。自動車関連や環境・新エネルギー、オフィス、食とくらし関連など事業領域を拡大している。
EMS確立へプラント工事会社とも提携
また、同社は12月22日、長崎市小江原2丁目の各種プラント工事業、株式会社ナガネツ(久野敏昭社長)と業務・資本提携に関する基本契約を締結した。
これは、エネルギー事業の再構築を目的に法人向けソリューションの事業モデル「エネルギーマネジメントサービス(EMS)」の確立を目指す一環。EMSでは、従来の石油製品販売だけでなく、電力・ガスを含めたエネルギー診断からソリューション提案、エンジニアリング(設計・施工・保守)、運用管理までサービス領域の拡大を構想する。その中で、自社でノウハウのないエンジニアリングとメンテナンス部門を各種プラントなどの機械工事を主力にボイラーなど熱源機器の保守、施工・管理をワンストップで提供できるナガネツが受け持つ。
提携で新出光はナガネツの発行済株式のうち、33%の普通株式を譲り受ける。事業は4月ごろの開始予定。新出光では、「EMSを完成させ、コスト削減の提案や省エネソリューションの提供を協働で実現していく」と話している。
ナガネツは1979年6月設立。資本金2000万円。従業員63人(今年1月現在)。長崎本社のほか、北九州事務所を八幡西区八千代町に置く。