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大阪・南港―北九州・新門司港間に新造フェリー 大阪・名門大洋フェリー
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週刊経済2021年12月21日発行
総トン数は1・5倍に
大阪―北九州間で中長距離フェリーを運航する㈱名門大洋フェリー(大阪市西区江戸堀1丁目、野口恭広社長)は12月16日、大阪・南港と北九州・新門司港航路に新造フェリーを就航した。
フェリーの名称は「フェリーきょうと」。2002(平成14)年から就航している「フェリーきょうとⅡ」の後継として三菱重工業㈱下関造船所で製造されていた。総トン数1万5025トン、全長195メートル、全幅27・8メートル。航海速力は23・2ノット。積載能力は旅客定員が675人で、積載車両台数はトラック162台、乗用車は140台。旧船に比べ総トン数で1・5倍の大きさで、同社が運航するフェリーでは歴代最大規模を誇る。船内はエントランスホールと同じフロアに乗用車専用スペースを設け、階段による昇降をなくし、キャリーバックやベビーカーであっても「ドアtoドア」(横移動)での乗船を可能にしたほか、船内から神戸港や明石海峡大橋などの景観を楽しめるパブリックスペースの大浴場、ラウンジ、レストランの機能を充実、新たに女性用のパウダールーム、子供向けのキッズルーム、授乳室などを導入した。客室には1等洋室にシャワー・トイレ付のスーペリア室を新設、相部屋の2等洋室はプライベート空間を確保した仕様に変更、バリアフリー対応のコンフォートを新たに設けるなど顧客の個室志向への高まりに対応する。また、物流におけるモーダルシフトの高まりを背景に、トラックの積載台数を旧船に比べ50%(54台)増加、従来の荷役設備に加え、二口荷役が可能な設備を新設したほか、ドライバー専用ルームも個室に切り替え、運送会社などからの利用拡大を目指す。
12月14日、新門司港に寄港した新造船内で記者会見した野口恭広社長は「旅客のお客さまには『より快適に』、物流のお客さまには『より力強い』サービスを提供していきたい」と話した。
長距離フェリー業界では、通常15年~20年の期間で旧船からの代替建造を進めているが、同社では今回就航する「フェリーきょうと」に加え、22年3月28日には「フェリーふくおか」を新たに就航する。
同社は1984年11月設立。大阪・南港と北九州・新門司間に1日2往復4便体制で運航しており、2015年11月には「フェリーおおさかⅡ」、「フェリーきたきゅうしゅうⅡ」を就航している。