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大英産業など2社が4年ぶり単独上場 小田原智一福岡証券取引所理事長
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売買代金は200億円確保見込み
福岡証券取引所(福岡市中央区天神2丁目)の小田原智一理事長は、ふくおか経済新年号インタービューに応じ、2019年の上場実績について「大英産業など2社が4年振りに単独上場した」と振り返った。また、福証の取引実績は「売買代金は反動減も200億円は確保できる」と成果をアピールした。
—19年の経済情勢を振り返って。
小田原 今年は大発会で日経平均株価が2万円を割り込み、 3年ぶりに前年最後の取引終値から下落した波乱の幕開けだった。しかし、その後日経平均は2万円台を下回ることはなく、 懸案を抱える中でも大きな変動もなく安定した1年だった。 10月には消費税が増税したが、現状大きな影響はない印象。しかしやはり米中貿易摩擦の影響で、上場企業の中間決算は製造業を中心に減益となった企業もあり、景気の先行き不透明感が続いた年だったと見ている。
—6月には設立70周年を迎えた。
小田原 元号が変わり新しい時代になった年に70周年を迎え、感慨深さもある。長い歴史の中で国内の地方証券取引所の風向きは決して良い時ばかりではなかったが、福証が行政を含めた地域経済界の皆さまのおかげで、ここまで運営できたと実感している。地域経済が自立し、持続的に発展する上で必要不可欠な直接金融市場としての役割をこれからも果たし、「地域に根差した取引 所」を目指してさらなる努力を重ねていきたい。
—昨年の福証取引実績は。
小田原 売買代金は19年1月から11月末までの累計で、対前年比21・6%減の190億円となった。昨年の売買代金が大幅増による反動での減少。要因は、前述の米中貿易摩擦による先行きの不透明感を見極めたいという投資家心理から、商いを手控えたのではないかと見ている。それでも、福証としては年間の平均ベースでここ数年平均の売買代金200億円は確保できると見ている。
—19年の上場実績は。
小田原 6月に北九州を中心に分譲マンションなどの住宅事業を手掛ける大英産業㈱(北九州市、大園信社長)が本則市場に上場。9月には、システム関連業の㈱ピー・ビーシステムズ(福岡市、冨田和久社長)がQ—Boardに上場した。ここ数年の東京株式市場との重複上場ではなく、4年ぶりに福証のみの単独上場。これは、大変ありがたく嬉しい話題だった。
—2020年の展望は。
小田原 福証としては地元企業の成長に繋がる取り組みを強化し、今年も元気の良い企業、魅力ある企業に1社でも多く上場してもらいたい。最近は九州・沖縄以外にも中国地方からの上場相談もあり、ベンチャー企業等のIPO機運も盛り上がりを見せている。そういった意味では、新規上場への追い風を感じている。
2019年12月24日発行