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大川市の大川東―大野島間3・7キロが開通 有明海沿岸国道事務所


週刊経済2021年3月23日発行

県内区間27・5キロが全線供用へ

有明海沿岸国道事務所が整備を進めてきた地域高規格道路・有明海沿岸道路(大牟田市―佐賀県鹿島市、総延長55キロ)のうち、大川市の大川東インターチェンジ(IC)と大野島IC間(3・7キロ)が3月14日に開通した。  同区間の開通で県内の整備区間(27・5キロ)が全線供用することとなり、人流、物流両面での地域活性化や交通渋滞の緩和、緊急時の輸送ネットワークの拡充などがさらに拡充することになった。
午後3時の開通を前に大野島IC側の本線上では国、期成会による記念式典が開かれ、前大川市長で福岡6区選出の鳩山二郎国土交通大臣政務官兼内閣府大臣政務官、自民党元幹事長で福岡県期成会の古賀誠特別顧問、福岡7区選出の藤丸敏衆院議員ら約60人が出席。式典で鳩山政務官は「前大川市長時代から早期完成の要望を続けてきただけに、最高にうれしい」とした上で、「道路の整備でまちづくりが様変わりする。大野島ICが佐賀空港から福岡県への玄関口としてすばらしい開通効果を発揮してほしい」と開通への期待を寄せた。
国会議員時代から地域高規格道路の制度創設をはじめ、早期整備完成に尽力した福岡県期成会の古賀誠特別顧問は「これまで2500億円を超える投資が厳しい批判を受けたこともあったが、期成会の励ましと情熱によって県内全区間が開通することができた。感慨深さを感じる。全線開通は将来への道のり。十分生かせてこそ道路の優位性が生かせる。次世代の宝物として新たな思いを決意した」と語った。そのほか、国会議員では藤丸衆院議員をはじめ、県選出の国会議員では自民党の松山政司氏、立憲民主党の古賀之士氏、公明党の下野六太氏のほか、旧建設省道路局企画課長時代に道路の制度設計などに携わった自民党参議の佐藤信秋氏も出席し、道路開通の祝辞を述べた。福岡県側からは知事職務代理者の服部誠太郎副知事、県議会の吉松源昭議長が出席。この中で、服部副知事は「社会情勢が大きく変化する中、類まれなスピードで整備が進んだことに感謝申し上げたい。延伸によって起点側の三池港は国際コンテナ貨物の取扱量が開通前に比べて26倍まで増えているほか、国道208号の渋滞緩和、災害時の緊急道路としても活用されているなど整備の意義は大きい。県はアクセス道路の整備をすすめ、開通効果が最大限発揮できるよう最大限に取り組みたい」と意気込みを述べた。
有明海沿岸道路は2008年3月に大牟田IC―高田IC、柳川西IC―大川東IC間が初めて開通以降、自動車専用区間としての延伸が進み、沿線地域には企業や商業施設、大学などの新増設が計90社、起点側にある重要港湾・三池港の国際コンテナ貨物量が開通前に比べて26倍まで拡大するなどインフラ整備によるストック効果が発揮されている。