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大学発ベンチャー投資ファンドで第1号の出資  西日本シティ銀行    有機ELの次世代革新的材料開発会社に


 株式会社西日本シティ銀行(福岡市博多区博多駅前3丁目、谷川浩道頭取)は2月28日、地域の事業会社などと共同出資する大学発ベンチャーの成長を促す投資ファンド「QB第一号ファンド」の第1号案件として、ディスプレイ・照明向け有機ELの次世代革新的材料の開発・販売、株式会社Kyulux(同西区九大新町、佐保井久理須社長)」に出資した。
 第三世代有機EL発光材料の実用化を目指す将来性や高い技術力、地域経済の活性化や雇用創出など期待される波及効果を評価し出資したもの。有機EL市場は液晶の次の世代ディスプレイとして、大きな市場規模が見込まれている。九州大学の安達千波矢主幹教授(最先端有機光エレクトロニクス研究センター・センター長)が開発に成功した第三世代有機EL発光材料は、高効率、低コストのみならず、高純度の発色と高強度のEL発光が可能であり、日本発世界標準となる可能性を秘めているという。
 同ファンドは九州大学の特定関連会社、株式会社産学連携機構九州(略称九大TLO、同市早良区百道浜3丁目、前田真社長)と共同で設立した QBキャピタル合同会社(坂本剛、本藤孝両代表パートナー)が運営するもので、九州の大学の研究成果を活用した新産業の創出による九州経済活性化を目的として昨年9月に設立。同行のほか大石産業株式会社、西部ガス株式会社、株式会社新日本ホールディングス、第一交通産業株式会社、日本磁力選鉱株式会社、福岡地所株式会社、株式会社フジコー、株式会社ワールドホールディングスなどが出資し、ファンド総額は約30億円。大学が所有する研究成果などの知的財産と、同行や九大TLO、地場企業が有するさまざまなノウハウを融合させ、大学の技術シーズを創業前から成長段階まで支援する全国初の産学連携・ベンチャーファンドという。