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売上高5・9%増の2兆1317億円 九州電力3月期


週刊経済2021年6月15日発行

九州外販売増などで増収増益

九州電力㈱(福岡市中央区渡辺通、池辺和弘社長)の21年3月期連結決算は、売上高は前期比5・9%2兆1317億円9900万円、経常利益は同39・0%増の556億8300万円で増収増益だった。
新型コロナ感染拡大の影響が電力需要に響いた面はあるものの、子会社九電みらいエナジーによる九州外での販売電力量が伸びたほか、前年度が冷夏暖冬であった反動もあり、小売販売電力量は前年度比2・7%増の752億kWhに増加した。卸売販売電力量も同41・9%増の107億kWhと伸び、総販売電力量は同6・3%増の858億kWhとなった。一方、燃料費調整の影響などから小売り販売収入は減少したが、卸売販売収入や再エネ特措法交付金が増加したことなどが、連結増収につながった。支出面では再エネ買取額の増加や卸電力取引市場の高騰などが影響し、経常費用は同5・2%増の2兆927億円となったが、今期から有形固定資産の減価償却方法を定率から定額に変更したことで減価償却費が大幅に減り、経常利益は大幅象となった。最終利益は321億6700万円(前期は4億1900万円の赤字)となり黒字化している。
今期の業績予想は、売上高は1兆5100億円、経常利益は700億円、最終利益は450億円を見込む。前期比較では大幅減収・大幅増益の形となるが、期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用予定で、会計基準の変更を伴う業績予想なので、前期との増減の比較は示していない。