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売上高4000億円を1年前倒しで達成 九州旅客鉄道


国内外での事業開発に引き続き注力

九州旅客鉄道㈱(福岡市博多区博多駅前3丁目)の青柳俊彦社長は、本誌9月号の「地場主要企業トップインタビュー」に応え、18年3月期決算の総括や、国内外への展開について語った。主なやり取りは以下の通り。
―18年3月期決算を振り返って。売上高、利益ともに過去最高という好決算をけん引した事業は。
青柳 やはり鉄道事業。昨年7月の九州北部豪雨で非常に大きな被害を受けながらも、復旧に取り組みながら、収益を出せる部分では結果を残すことが出来た。国内外での事業開発にも注力し、今年度までの中期経営計画で目標としていた売上高4000億円を1年前倒しで達成した。
―今期決算の見通しは。
青柳 利益面では、前期に利益を上げた建設セグメントで建設費や人件費が高騰しており、昨年並みの利益率を確保することは厳しいだろうと予想している。展開を拡大しているドラッグストアでは人件費も上がっており、利益面は横ばいになると見ている。これらに加えて鉄道事業の減価償却費増加もあり、増収でも利益を上げるのが難しい。
―ホテル事業では九州外にも積極進出している。
青柳 来年は東京・新橋にブラッサムブランドのホテルを開業する。また、このほど京都市でも開発用地を取得した。ブラッサムタイプの宿泊主体型ホテルであれば200室程度を確保できると想定しており、2021年度以降の開業を目指す。
―大阪市でマンション開発、東京都内でも賃貸マンション取得など、大都市での展開が加速している。
青柳 長期的な安定性確保や収益拡大のために必要な事業。成長性の高いオフィスなどと組み合わせながら、今後も東京都心部などで良い物件があれば取得・開発を進めていきたい。
―昨年、タイに不動産事業で進出した。海外事業について、今後の展開は。
青柳 まずはタイのサービスアパートメントを足がかりに、さまざまな可能性を模索している。現地に事務所を構えて以来、寄せられる情報は量・質ともに高まっている。まずはタイで実力をつけて、その次のステップとして他の東南アジアの国々を視野に入れていきたい。

2018年8月28日発行