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売上高11%減の343億円で減収減益  南陽3月期


中国経済減速の影響などで

福岡市博多区博多駅前3丁目の機械商社・㈱南陽(武内英一郎社長)の2020年3月期連結決算は、売上高が前期比11%減の343億1900万円、経常利益が同19・5%減の21億8100万円となった。
米中貿易摩擦などの影響に伴う中国経済の減速で4期ぶりの減収減益となった。営業利益は同18・5%減の21億1600万円、当期純利益は23・2%減の13億8700万円。建設機械事業では、販売部門で利益率の高い商品の販売や好調が続く沖縄地区を中心に既存取引先の需要掘り起こしに努めた。レンタル部門でも公共工事需要の取り込みに注力したが、九州地区の災害復旧工事が一服して全体の工事量が減少したことで、売上高は同1・3%減の129億1400万円、セグメント利益は同10・4%減の15億2700万円となった。
産業機器事業では、米中貿易摩擦や国内の台風被害の影響、さらに新型コロナウイルスの流行で、中国市場をはじめ世界的に景気が減速。特に半導体業界では一時回復基調にあったものの、減速傾向に転じるなど不安定な状況のなかで推移した。こうした状況下で新商品の開拓と提案営業の強化を努めるとともに継続して生産部品や消耗部品の拡販にも努めてきたが、世界経済の先行き不透明感の影響などで設備投資抑制の動きが強まったことから、売上高は同16・4%減の209億2800万円、セグメント利益は同24・5%減の10億4000万円にとどまった。
砕石事業では公共工事の受注強化と民間企業への営業強化による中小規模の工事の受注獲得に努めた。また、継続して製造コストの価格転嫁に向けて販売単価の交渉にも努めた結果、売上高は同7・4%増の4億7600万円、セグメント利益は同4・2%増の2500万円となった。
同社が昨年5月10日に公表した当初予想では、売上高を同9・2%減の350億円、経常利益を同26・2%減の20億円と見込んでいたが、売上高は1・9%下回ったものの、経常利益は9・1%上回り、営業利益、純利益とも当初予想を上回った。このため2月7日公表した期末配当予想から4円増配の51円に修正し、中間配当を加えた年間配当を66円とした。今期の見込みについては、新型コロナウイルスの流行に伴う影響などが1年程度継続することを前提として、売上高は前期比11・1%減の305億円、経常利益が同38・1%減の13億5000万円を見込んでいる。

2020年6月2日発行