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売上高1061億円で3期ぶりの増収増益 第一交通産業


4期連続で1000億円突破

第一交通産業㈱(北九州市小倉北区馬借2丁目、田中亮一郎社長)の2019年3月期連結決算は、売上高が前期比5・4%増の1061億7000万円、経常利益が同3・2%増の69億3600万円で3期ぶりの増収増益となり、売上高は4期連続で1000億円を突破した。
営業利益は同0・5%増の66億6500万円、当期純利益は同8%増の41億9300万円だった。主力のタクシー事業は需給調整に伴う減車や自然災害の影響があったものの、前年並みの売上高を確保し同0・1%減の557億6000万円。セグメント利益は燃料価格の高騰、人員不足による人件費の高騰、新車導入やUDタイプ車両の投入導入推進、タクシー無線のデジタル化に伴う減価償却費の増加があるものの、営業所の統廃合による合理化など経費削減に取り組んだ結果、同3・2%増の13億200万円となった。19年3月末のタクシー認可台数は、タクシー特措法に基づく特定地域内で預かり減車などで前年度末に比べ127台減って8277台。さらに、このうち115台は同法に基づく特定地域内で稼働できない状態(休車)になっており、稼働可能な台数としては前年度末比で171台減の8162台となっている(預かり減車252台は将来UD車などで復活可能)。
バス事業は沖縄地区での複数の台風接近、広島地区での豪雨災害、大阪北部地震、大阪地区での台風及び関西国際空港の一時閉鎖の影響に伴う貸切バスの運休やキャンセルが相次いだ結果、売上高は同2・3%減の77億400万円。セグメント利益は燃料価格の高騰で、同32・1%減の6億9100万円だった。バス認可台数は725台で、前年度末に比べ3台減った。
一方、不動産分譲事業の売上高は東京都墨田区の新築マンション1棟(23戸)の売却を含めたその他28億4700万円を加えて、同22・6%増の280億7700万円。セグメント利益は同42・6%増の16億5800万円。収益とも2ケタ台の伸びを見せた。主力の分譲マンションでは完成に伴う引き渡しと完成在庫の販売に取り組んだ結果、売上高は同15・6%増の214億2800万円。契約件数は1005戸を達成し、昨年1~12月の福岡県下実需型マンション販売実績でトップとなった。戸建て住宅の売上高は、同23・6%増の38億100万円だった。
また、不動産賃貸事業の売上高は、同6・3%増の43億1800万円、セグメント利益は同6・4%増の21億6400万円。福岡県3棟、鹿児島県2棟、大阪府1棟、宮城県1棟、北海道2棟と各地の繁華街の飲食ビルを購入。また、沖縄県那覇市の那覇バスターミナルビル完成の伴う商業施設の増加や北九州市の㈱小倉商工会館を買収した。不動産再生事業では名古屋市丸の内のオフィスビル、大阪市北区曽根崎の飲食ビル持分の一部及び東京都新宿区高田馬場の賃貸マンションの売却、長崎市若草のマンションプロジェクトの完成引渡しの結果、売上高は同3・6%増の55億2400万円、セグメント利益は同32・4%増の7億7700万円となった。
金融事業では不動産担保ローンの貸出が順調に推移し、期中平均融資残高が増加したことで利息収入と手数料収入が増加。売上高は同8・7%増の16億1200万円と伸びたものの、大口不良債権を処理したことで、セブメント利益は16・6%減の6億2500万円にとどまった。同社では同決算の状況を踏まえ、5月10日の取締役で、期末配当の当初予想の10円から5円増配し15円に修正した。年間配当は5円増配の25円になる。
今期の見込みは、売上高が前期比0・3%増の1065億円、経常利益が同0・9%増の70億円。営業利益は同3・5%増の69億円、当期純利益は同0・2%増の42億円を見込んでいる。

2019年5月28日発行