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売上高は8・7%増の111億円に 日本タングステン


経常利益は7割増の9億8千万円

タングステン、モリブデンメーカーの日本タングステン㈱(福岡市博多区美野島1丁目、後藤信志社長)の2018年3月期決算は、売上高が前期比9・7%増の111億200万円、経常利益が同70・5%増の9億8000万円で増収増益となった。
売上高増加に加え生産効率の改善などコスト削減対策を行った結果、営業利益は前期比59・5%増の7億5500万円となり、経常利益は為替差損が減少したことなどにより増加した。当期純利益は特別損失の計上、法人税などが増加したことにより同48・4%増の6億9600万円。
機械部品事業は、主力の衛生用品関連「NTダイカッター」の海外向けが欧州での拡販活動などにより増収となったが、国内向けが設備投資の一服感から低調に推移し、全体として売上高は微減となった。一方、情報機器関連のハードディスクドライブ(HDD)用磁気ヘッド基板は需要回復により増収となり、電子部品関連の金型製品も好調に推移。この結果、機械部品事業の売上高は前期比13・8%増の62億3300万円、営業利益は同52・9%増の9億5300万円だった。
電機部品事業は、自動車関連の接点製品が中国市場での在庫調整もあり減収となったが、電子部品関連の電極製品が国内、海外ともに好調に推移し増収となった。この結果、電機部品事業の売上高は同4・9%増の49億1900万円、営業利益は製品構成の影響や労務費などのコスト増により同3・7%減の2億8100万円だった。同社では「主力のNTダイカッターの生産能力増強を目的とした基山工場の建屋増築工事が3月で終了し、中南米市場における拡販、再研磨サービスを強化していく」と話しており、今期は、積極的な設備投資による減価償却費の増加で売上高は同1・8%増の113億円、経常利益は同17・4%減の8億1000万円の増収減益を見込んでいる。

2018年5月22日発行