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売上高は393億円で2期連続増収増益 南陽3月期


週刊経済2023年5月23日発行号

経常利益32億円で過去最高益

福岡市博多区博多駅前3丁目の機械商社・㈱南陽(武内英一郎社長)の2023年3月期連結決算は、売上高が前期比13%増の393億3900万円、経常利益が同21・3%増の32億2500万円となり、2期連続の増収増益で過去最高益となった。
営業利益は同23・7%増の29億6700万円、当期純利益は同23・4%増の21億4600万円。建設機械事業では災害復旧工事需要が継続した一方で、資源価格の高騰や部品不足に伴う長納期化の影響は解消せず、不安定な状況の中で推移。販売部門では先行手配をしていた在庫や即納可能な中古機械・車両などの商品を中心に提案営業を強化するとともに、商品の納入サポートや修理対応などのサービス力向上にも注力した。レンタル部門では災害復旧工事需要の取り込みに努めたほか、既存顧客の需要の掘り起こしや新規顧客開拓にも取り組んだ。この結果、売上高は同5・2%増の140億8300万円、セグメント利益は同12・7%増の18億9400万円となった。
産業機器事業では、世界的なインフレや中国経済の減速の影響を受け、好調を維持していた半導体市場の一部では生産調整や需要減少の動きが進んだほか、部品不足に伴う長納期化についても本格的な解消には至らず、不安定な状況の中で推移。積極的な設備投資を続ける半導体及びロボットメーカーで提案営業の強化に努めるとともに、継続して生産部品や消耗部品の拡販に努めた結果、売上高は同18・5%増の248億4200万円、セグメント利益は同32・3%増の16億5900万円と伸びた。
砕石事業では事業を展開する地域では継続して域外の災害復旧工事に予算が優先されるとともに、一部の取引先では新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経営環境の回復には至らなかったことから厳しい状況で推移。護岸工事などの公共工事の受注獲得に努めるとともに、民間企業への営業強化に努めた。しかしながら、全体の取引量の減少や燃料費の価格高騰に伴うコスト増加などで、売上高は同11・8%減の4億1300万円。セグメント損失は前期の1400万円か縮小し200万円の損失となった。
また、同社は5月11日に取締役会を開き、期末配当を80円から86円に上方修正した。財務状況、利益水準、配当性向などを総合的に勘案して3月7日に公表していたものを修正。中間配当を加えた年間配当は、前期を19円上回る101円となる。今期の見込みは先行き不透明な状況を勘案し、売上高が前期比3・4%減の380億円、経常利益が同13・2%減の28億円。営業利益は同9%減の27億円、純利益は同16・1%減の18億円を見込んでいる。