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売上高は3・3%増の3383億円と好調  西日本鉄道    経常利益は19%増の161億円


 西日本鉄道株式会社(福岡市中央区天神1丁目、竹島和幸社長)の13年3月期決算は、売上高が前期比3・3%増の3383億8700万円、経常利益は同19・3%増の161億8900万円で、3期連続の増収増益だった。主力の運輸業は微減だったが、賃貸、分譲事業が好調に推移した不動産業や、流通業、レジャー・サービス業が売上高を押し上げ増収となった。利益面では、前期に独禁法関連引当金を計上していたが、今期は特別損失が半減したことから当期純利益は前期比70・4%増の91億9400万円で大幅増となった。
事業別に見ると、主力の運輸業ではバス事業で東日本大震災の影響の解消や、エコ企業定期券の販売強化による増収があった一方で、郊外路線の旅客人員減少や、タクシー事業の減収などにより、営業収益は前期比0・4%減の840億1800万円、営業利益は減価償却費や人件費などの減少で同24・8%増の45億8500万円となった。旅客人員は鉄道事業で前期比0・2%減、バス事業(乗合)で同0・2%減だった。
 そのほか、不動産業では賃貸事業で「西鉄日本橋ビル」の開業が寄与したほか、分譲事業で「ブライトパーク・サンリヤン地行」や「マークスシティ ザ 大江」などマンション販売が好調であったこと、リノベーションマンションの販売戸数が増加したことなどから、営業収益は前期比5・4%増の548億3000万円、営業利益は同5・1%増の98億5200万円と増収増益。事業別で運輸業に次ぐ売上高を占める流通業は、ストア事業で競合店の影響を受けたが株式会社あんくるふじやを連結子会社化したことによる増収で、営業収益は前期比9・0%増の809億7000万円となった。一方で既存店の減収に加え改装費用の増加なども影響し、営業損失は4200万円(前期は営業利益7億400万円)で赤字に転じた。
 物流業では、国際物流事業で欧州・アジアでの航空貨物を中心に取扱高が減少したことや、国内物流事業でのロジスティクス業務の減少等もあり、営業収益は前期比1・3%減の700億1500万円、営業利益は前期比0・9%減の17億6500万円となった。レジャー・サービス業では、ホテル事業で「ソラリア西鉄ホテル銀座」(11年9月開業)や「ソラリア西鉄ホテル鹿児島」(12年5月開業)など新規ホテルの稼動や、既存ホテルでの稼働率向上、その他サービス事業での空港ハンドリング業務受託増による増収で、営業収益は前期比4・2%増の369億6300万円、営業利益は14億2500万円(前期は営業利益1億1300万円)となった。
 今期は「にしてつグループ将来ビジョン2018」実現に向けた第二段階に当たる第13次中期経営計画のもと、新たな収益源開拓と既存事業の基盤強化に取り組む。売上高が前期比2・3%増の3462億円、経常利益が同4・3%減の155億円、当期純利益が同2・1%減の90億円を見込んでいる。