NEWS

売上高は2・6%増の432億円で増収減益  リックス


各業界向けで明暗

福岡市博多区山王1丁目の機械商社・リックス㈱(藤井卓社長)の2020年3月期連結決算は、売上高が前期比2・6%増の432億4600万円、経常利益が同9・8%減の27億2千万円の増収減益となった。
営業利益は同9・9%減の25億7700万円、当期純利益は同13・7%減の18億2600万円だった。主要取引業界別の売上高では、鉄鋼業界向けの売上高が同1・4%増の135億900万円。鋼管試験材採取自動化設備や解体機、ストレーナ、油圧シリンダーの受注が好調で売上増に貢献した。自動車業界向けの売上高は、同2・4%減の116億500万円。自動車部品メーカー向け接合装置や洗浄装置の引き合いが強かったものの、自社洗浄装置やポンプ、フィルター、工作機械業界向けの自社接手製品の落ち込みが大きく、前期を下回った。電子・半導体業界向けの売上高は、同5・7%減の40億5300万円。半導体メーカー向け加工部品やメンテナンスサービスの引き合いが強かったほか、シール類の販売が伸長したものの、自社洗浄装置やフィルターなどの消耗品の受注が落ち込み、前期を下回った。ゴム・タイヤ業界向けの売上高は、同1・0%減の29億6200万円。国内タイヤメーカー向けに計量装置や検査装置、検査機を受注したものの、タイヤ加硫機用バルブの受注落ち込みのカバーには至らず、前期を下回った。
一方、高機能材業界向けでは化学メーカー向けで変電所水処理設備やプラントメーカー向けで設備改造整備を受注したほか、ポンプ類や逆浸透膜の販売が伸長。売上高は同65・8%の25億7400万円で、前期を大きく上回った。環境業界向けでは発電所向けで集塵機や軸受部品、環境関連装置メーカー向けのポンプを受注したほか、フィルターやジャバラの販売が伸びたが、大型案件の受注に乏しく、売上高は同15・6%減の15億4500万円にとどまった。紙パルプ業界向けでは製紙会社向けに溶解装置や照明器具を受注したほか、ポンプ類やシール類の販売が伸長し、売上高は同28・4%増の9億3700万円と伸びた。  同社では、2月7日に業績予測を修正し、売上高を同1・6%増の428億円、経常利益を同14・8%減の25億7千万円と見込んでいたが、修正した予想値からは収益とも若干上回る結果となった。ただ、今期見込みについては新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響で、現時点では合理的な算定が困難なことから未定とし、業績予想の算定が可能になった段階で開示する方針。

2020年5月26日発行