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売上高は125億7600万円で増収増益 トランスジェニック3月期


週刊経済2022年6月21日発行

新型コロナPCR検査受託などで

非臨床試験・臨床試験などの創薬支援事業を手掛ける㈱トランスジェニック(福岡市中央区天神2丁目、福永健司社長)の22年3月期決算は、売上高が前期比13・9%増の125億7600万円、経常利益が同約2倍の18億1900万円で増収増益だった。
同社は昨年4月1日付で純粋持株会社体制に移行。創薬支援事業の経営効率化と機能強化を目的に、遺伝子改変マウス事業を子会社の㈱安評センターに、抗体事業を子会社の医化学創薬㈱に譲渡した。創薬支援事業強化の一環としては、昨年11月に長期毒性試験やがん原性試験に関する評価・論評を国内の製薬企業やCRO(医薬品開発業務受託機関)企業に対して実施している㈱ルナパス毒性病理研究所を子会社化。今年1月には検査・解析事業を手掛ける㈱ジェネティックラボをルクセンブルクEurofins group傘下企業に譲渡した。創薬支援事業では、上期に北海道での新型コロナウイルス感染症の検査数が急増し、前期比でPCR検査の受託件数が大幅に増加したため増収につながった。利益面では、検査受託増に加え、Eコマース事業など新規事業分野のTGBS事業子会社の利益増が寄与。さらに、特別利益としてジェネティックラボ株式の売却による関係会社株式売却益、補助金収入を計上している。営業利益は前期比約2倍の18億3700万円、当期純利益は同約3・4倍の18億7600万円で、いずれも過去最高となった。
今期は、コロナ禍を背景にPCR検査受託売上・利益を急激に伸ばした㈱ジェネティックラボの譲渡により減収減益予想としているが、コロナ禍以前の過去最高業績を記録した19年3月期決算を上回る見通し。23年3月期の売上高は前期比8・6%減の115億円、経常利益は同72・5%減の5億円、当期純利益は同82・4%減の3億3千万円を予想している。