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売上高は過去最高の3548億円  JR九州    経常利益は22%増の212億円に


 九州旅客鉄道株式会社(福岡市博多区博多駅前3丁目、青柳俊彦社長)の14年3月期連結決算は売上高が前期比3・5%増の3548億1000万円、経常利益が同22・3%増の212億1600万円、当期純利益が同91・2%増の115億6600万円で増収増益だった。売上高は過去最高、4期連続の増収。経常利益、当期純利益でも増益だった。鉄道収入やマンション販売が好調だったことに加え、ドラッグストアの売上高が増加したことが増収につながった。
 事業別に見ると、主力の旅客鉄道事業などの運輸サービスグループでは、営業面で「九州新幹線2枚きっぷ」やネット予約限定の「九州ネット早特7」の販売を強化、鉄道利用の促進を図り、収益確保に努めた。さらに昨年10月に開始した豪華寝台列車「ななつ星in九州」の運行を通して、九州への誘客を図った。旅行業では鉄道利用商品を中心とした国内旅行に加え、高速船ビートルを利用した韓国商品を中心に海外旅行商品を展開し、販売促進に努めた。これらの結果、営業収益は前期比1・0%増の1742億1800万円、経常損失は前期より26億100万円改善し、28億7800万円となった。
 新幹線関連工事やマンション建設工事などの建設グループでは、北陸新幹線や九州新幹線西九州ルート等の工事や、熊本駅の高架関連工事、マンション建設工事の受注を行い、経費削減に努めた。また、昨年3月から参入した宮崎県都城市の太陽光発電事業などもけん引し、営業収益が前期比21・1%増の853億1900万円、経常利益は同12.9%増の41億7200万円となった。
 駅ビル・不動産グループでは、不動産販売業でマンション販売に努める一方、「JR博多シティ」などの既存駅ビルでテナント誘致や販促活動を行うなど、収益確保に努めた結果、営業収益は前期比4・2%増の498億5700万円、経常利益は同4・9%増の167億3600万円となった。
 小売業や飲食業の流通・外食グループは、フランチャイズ店舗などの新規出店を進め、昨年5月、中国で外食事業2店舗目の「うまやの麺麺麺」をオープンした。また、ドラッグストアでの販促キャンペーンを実施した結果、営業収益は前期比3・6%増の884億9100万円、経常利益は同20・8%増の32億1300万円となった。
 ホテル業などその他グループでは、昨年4月にオープンした「JR九州ホテルブラッサム博多中央」、今年2月に「JR九州ホテル鹿児島」南館、3月に「JRホテル屋久島」のリニューアルオープンなどを実施した。また、高齢化社会の進展を見据え、昨年6月に「JR九州シニアライフサポート株式会社」を設立し、今年3月に住宅型有料老人ホーム「SJR千早」をオープンするなど、老人福祉・介護事業へ本格的に参入した結果、営業収益は前期比8・9%増の532億5300万円、経常利益は同40・7%増の10億2900万円となった。
 今期は売上高が前期比1・2%増の3592億円、経常利益が同10・9%減の189億円、当期純利益が同8・4%減の106億円で増収減益を見込んでいる。