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売上高は前期比27・3%増の110億4600万円  トランスジェニック


コロナ影響もEC事業など伸長

東証マザーズ上場で、遺伝子改変動物・抗体の開発、販売などを手掛ける㈱トランスジェニック(福岡市中央区天神2丁目、福永健司社長)の20年3月期決算は、売上高が前期比27・3%増の110億4600万円、経常利益が同63・0%減の9400万円で増収減益だった。
CRO事業(医薬品開発業務受託機関)では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で非臨床試験受託用の動物輸入が来期以降に延期となり非臨床試験が計画通り進まなかったことや、中国の提携ラボで実施している受託試験が20年2月以降に計画通り実施できず遅延していることなどから、新型コロナウイルス問題の顕在化以降に売り上げ、受注が伸び悩んだ。セグメント売上高は前期比13・2%減の19億4191万円、受注高は同4・6%減の19億2723万円にとどまった。Eコマース、M&Aによる新規事業などのTGBS事業では、Eコマース事業で消費増税後に予想された売り上げ減少の影響を抑えるべく、自社サイトに加え大手通販サイト経由の販路拡大に注力。また、20年3月に洋食器の輸入と通販サイトでの小売販売・卸売を手掛けるギャラックス貿易㈱を連結子会社したことで、セグメント売上高は同46・4%増の82億5881万円と大幅に伸びた。
利益面では、CRO事業で新型コロナウイルス問題による影響を受けたほか、設備・人材に対する先行投資を進めていたことで増加した固定費の回収が進まず、当期純利益は4億4千万円の赤字となった。通期予想については、新型コロナウイルス感染症の終息の見通しが不透明なことや、業績に影響を与える不確定要素が多いことから未定としている。
同社では「通常は下期に受注が集中するCRO事業の売り上げが新型コロナウイルスの影響で失速したものの、EC事業やM&Aにより2けた増収となった」と話している。

2020年6月23日発行