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売上収益は2889億円で過去最高更新 安川電機中間期


週刊経済2023年10月17日発行号

営業利益は5・8%増の330億円

モーションコントロール・ロボット開発、システムエンジニアリングなどを手掛ける㈱安川電機(北九州市八幡西区黒崎城石、小川昌寛社長)は10月6日、2024年2月期第2四半期(2023年3月~8月末)連結決算で売上収益が前年同期比9・7%増の2889億7800万円となり、中間期で過去最高を更新。営業利益は同5・8%増の330億6200万円で増収増益となったことを明らかにした。
製造業全般で生産の高度化・自動化を目的とした設備投資需要が堅調に推移したものの、これまでけん引してきた半導体・電子部品向け需要が低迷。特に中国市場の回復鈍化による影響で設備投資が伸び悩むなど、グローバルに慎重な姿勢が強まった。ただし、サプライチェーンの混乱で部品不足に陥っていた状況が解消され、遅れていた生産が正常化。これまでの受注残の着実な解消によって売り上げを拡大したことが増収の要因となった。国内においては半導体市場でメモリ価格下落に伴う在庫調整が継続するなど需要が軟調に推移。アメリカではオイル・ガス関連などの設備投資や一般産業分野における自動化投資は継続したものの、半導体市場が低調に推移するなど需要は伸び悩んだ。欧州は電気自動車(EV)など成長分野における設備投資は継続しているが、景気後退の影響で需要は減速している。また、中国も太陽光発電用パネルなど成長分野での設備投資は継続したものの、製造業全般の需要は伸び悩んでいる。
セグメント別では、モーションコントロールの売上収益は前年同期比12・9%増の1369億1200万円、営業利益が同29・3%増の204億2100万円。ロボットの売上収益が同8・5%増の1123億5600万円、営業利益が同19・3%増の129億9500万円。システムエンジニアリングの売上収益が同9・3%増の268億9700万円、営業利益が同22%増の11億7100万円。
同社では、主要市場において需要が伸び悩んでいるものの、受注残の確実な消化や価格転嫁の促進などの影響から、今年4月に発表した2023年2月期通期連結業績は前回予想同様、売上収益を5500億円、営業利益を700億円としている。