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増設滑走路の運用開始へ体制整備着実に 福岡国際空港・永竿社長


週刊経済2023年6月27日発行号

航空需要は内際ともに回復基調

福岡空港を運営する福岡国際空港㈱(=FIAC=福岡市博多区)の永竿哲哉社長はこのほど、ふくおか経済インタビューに応じ、民営化のスタートから現在までを振り返りながら、今後の事業戦略などについて語った。主なやり取りは次の通り。
―発足から5年目を迎えた。これまでを振り返って。
永竿 2019年4月にスタートしたが、前半は好調だったものの、19年後半は日韓関係の影響で韓国路線が落ち込み、20年3月からはコロナの影響を受けるなど厳しい4年間だった。しかし、昨年10月の政府による水際対策緩和や全国旅行割支援のスタートにより、航空需要は急回復、5月8日には感染症法上の位置付けが2類から5類に引き下げられたこともあり、国内線はコロナ前と同水準に、国際線については7割までの水準に戻りつつある。
―23年3月期決算は売上高にあたる営業収益は前期比76・3%増の312億1038万円で増収だった一方、純損益は91億6387万円の赤字だった。4年連続の赤字だったが、赤字幅は縮小している。どう評価しているか。
永竿 事業収入は旅客・便数によるところが大きく、運航便数が回復したことで着陸料収入や不動産収入が増加したことが結果的に増収につながった。一方、損益面では約91億円の赤字だったが、業務の効率化などを進めたことによって、当初の計画値に比べて50億円ほど赤字幅を縮小することができた。ただ、企業である以上、ちゃんと黒字に転換する必要がある。
―今年度はFIACにとって、最初の中期経営計画が最終年度を迎える。次期中計づくりに向けた意気込みは。
永竿 滑走路2本体制に向けた施設整備については、増設滑走路までの運用開始まで道筋をつけていきたい。当初は国の事業を引き継ぐことに専念してきたが、今後は引き継いだものを社内でさらに高め、2本の滑走路に対応でき、継続して安全な空港運営ができるような体制を築くタイミングになってくる。
新規路線誘致については、コロナ禍でもかなりのエアラインにアプローチすることができた。その中で、福岡・九州に何を求めているかも理解が深まった。さらなる営業活動を続けていきたい。収益については、航空需要の回復に伴い、営業収入は増収傾向にある。この流れは加速させていきたい。一方、損益面では赤字が続いているが、黒字に転換できるよう取り組んでいく。