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地下鉄天神南駅で多目的AIカメラの実証実験 九州電力とオプティム


週刊経済2021年2月16日発行

混雑状況、マスク有無など検知

九州電力㈱(福岡市中央区渡辺通2丁目、池辺和弘社長)、㈱オプティム(東京都港区海岸1丁目、本店・佐賀市本庄町、菅谷俊二社長)は2月8日から、福岡市営地下鉄天神南駅で「多目的AIカメラ実証実験」事業を開始した。期間は2月27日まで。
福岡市が支援する「実証実験フルサポート事業」に採択され、九州電力は市や市交通局との調整を、オプティムは解析ソフトウエアの開発・提供を手掛けた。東改札口付近にカメラを設置し、混雑状況やマスク着用の有無を解析する。従来は項目ごとに別のカメラを設置することが必要だったが、実証実験で使用するシステムでは、カメラ1台で複数の項目の解析が可能。混雑状況は、設定したエリアに入った人数や滞留時間から検知する。マスク着用の有無については、物体検出AI・画像分類AIによって判定し、未着用と判定された場合は着用を促す音声メッセージが流れる。実証実験では、撮影画像から抽出した個人特定につながらない統計情報(マスク検知データ、入場者数カウントデータ、混雑検知データ)のみを扱い、市は新型コロナ対策などの社会実装に生かしたい考え。
オプティムの福岡拠点・OPTiM FUKUOKAの山縣亮介サブマネージャーは「新型コロナ以降、画像解析技術を活用した混雑状況把握などのソリューションを提供しているが、1台のカメラで複数の項目を一度に解析するシステムは当社でも初めてに近い。プライバシーに配慮した形で、感染対策の意識づけに寄与できれば」と話している。