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国際金融機能誘致をテーマにフォーラム 福岡市


週刊経済2022年2月1日発行

高島市長「国際金融機能誘致はソフトの新陳代謝」

福岡市(高島宗一郎市長)は1月24日、福岡市中央区渡辺通2丁目の電気ビルみらいホールで国際金融機能誘致をテーマにフォーラムを開いた。
国際金融機能の福岡市誘致を目的に、産学官で組織する「TEAM FUKUOKA(チーム福岡)」への理解を深めようと実施した。当日はオンラインを含め300人超が出席した。フォーラムは高島市長のトークセッションでスタート。高島市長は「香港問題に端を発し、日本政府はアジアにおける国際金融機能を誘致する都市を東京、大阪とともに福岡も候補地としたことで、産学官連携によるチーム福岡を立ち上げ、取り組みをスタートしている」とした上で、「現在までに関連企業10社の誘致が成功している。天神ビックバンや博多コネクティッドによる再開発がハードの新陳代謝に対し、国際金融機能誘致はソフトの新陳代謝。福岡は大きな夢が叶う街としてさらに成長していくためにも取り組みを盛り上げていきたい」と活動への意気込みを語った。その後、市の国際金融アンバサダーで国際金融関連で誘致1号企業となるMCPホールディングスジャパンの岡澤恭弥社長が基調講演。岡澤社長は「日本が失われた30年と言われ続けるのは金融における無形資産への投資がほとんどなかったから」とした上で、「福岡はアジアに最も近い都市。チーム福岡で活動しながら、福岡・九州は日本における西海岸になり得る。教育、Web3、気候変動という3つのトレンドをつかみ取ったダイナミックが必要」などと話し、アジアから投資マネーを福岡・九州に呼び込む重要性などを強調した。
フォーラムでは、高島市長、岡澤氏に、九州経済連合会の倉富純男会長、九州電力の池辺和弘社長が加わった「トップリーダーズセッション」、国際金融に関連した企業による事例紹介などもあった。
国際金融機能誘致を目指すチーム福岡は、高島市長、当時の麻生泰九経連会長、九州電力の池辺和弘社長らが代表発起人となり、20年9月に設立。香港やシンガポールなどから金融関連の外資系企業や高度人材の誘致を産学官一体となって取り組みを進めている。昨年2月に香港に拠点を置く資産運用会社・MCPホールディングスが進出以降、現在までに10社が進出しているという。