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国際物流好調などで売上高は2期連続過去最高 西日本鉄道
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週刊経済2023年6月13日発行号
経常利益は前期比2・0倍の279億円
西日本鉄道㈱(福岡市博多区博多駅前3丁目、林田浩一社長)の2023年3月期連結決算は、売上高にあたる営業収益が前期比15・8%増の4946億4300万円、営業利益が2・502倍の261億5000万円、経常利益が2・0倍の279億100万円と増収増益となった。売上高は2期連続で過去最高を更新した。
物流業で輸送需要の減少に伴い航空輸出取扱高が減少したものの、販売価格が前年に比べ高い水準を維持したことで好調を維持。新型コロナによる行動制限が緩和されたのに伴い、鉄道やバスなどの運輸業やホテルなどのレジャー・サービス業で前期から需要が回復したことも奏功し、大幅な増収増益となった。当期純利益も86・0%増の183億6800万円と過去最高を更新した。
事業別では、運輸業は行動制限緩和に伴い旅客人員が鉄道事業で9・7%増(前期比)、バス事業(乗合)で5・2%増となり、鉄道事業が黒字転換したことで、営業収益が12・9%増の720億6900万円、営業利益が7600万円(前期は46億9900万円の損失)と3期ぶりに黒字転換。不動産業は住宅事業が分譲マンション販売戸数の増加、賃貸事業が商業施設の賃貸収入の回復に伴いそれぞれ増収となった結果、営業収益が3・6%増の767億9300万円となったが、商業施設の改装費用や諸税などの費用の増加などで営業利益は0・3%減の81億3300万円にとどまった。流通業はストア事業が物価上昇による節約志向の高まりを受け既存店売上高が減少した一方、生活雑貨販売業が新規店舗開業の寄与で増収となった結果、営業収益は0・4%増の689億9300万円と増収に転じた。しかし、営業利益はストア事業でエネルギー価格上昇に伴う水道光熱費の増加などで86・1%減の8700万円と大幅減益だった。
物流業は国際物流事業が増収増益となった結果、営業収益が24・5%増の2318億1300万円、営業利益が48・7%増の170億7800万円と大幅な増収増益。レジャー・サービス業はホテル事業が稼働率上昇で増収となった結果、営業収益が54・3%増の327億1100万円、営業利益が8400万円(前期は66億2500万円の損失)と黒字転換。その他の事業は建設関連事業で大型工事の受注増加などで営業収益が5・0%増の316億6500万円となったが、金属リサイクル事業の販売数量減少などで営業利益は28・3%減の12億2400万円となった。
今期は鉄道事業、バス事業、ホテル事業の需要回復による増収を見込む一方、国際物流事業で高騰していた販売価格の落ち着きなどで、営業収益が7・5%減の4573億円、営業利益が33・8%減の173億円、経常利益が持分法投資損失の増加などで57・0%減の120億円、当期純利益が47・7%減の96億円を見込んでいる。